【DB】第6章:ビジネス視点の取り入れ ~データをビジネス成果に結びつける~
データベースエンジニアとして技術を磨いてきた今、次に求められるのはビジネス視点を持ち、データを価値に変えるスキル です。ただデータを管理・最適化するだけでなく、業務要件を理解し、ビジネスの成果につながるデータ活用を提案できるエンジニア へ成長することが重要です。
本章では、KPIの理解、データ分析の活用、クラウドコスト最適化、他部門との連携といった、技術とビジネスを結びつける方法を解説し、データドリブンな意思決定を支援できるエンジニアになるための視点を養います。
6-1. データベースエンジニアがビジネス視点を持つべき理由
データベースエンジニアの役割は、単にデータを管理するだけではなく、データを活用してビジネスの成長に貢献すること です。
システムが安定稼働していても、ビジネスに必要なデータを提供できなければ、企業価値を高めることはできません。
ここで、データ活用の視点が欠けていると何が起こるか? を具体的なケースで考えてみましょう。
📌 ケース①:ECサイトの売上分析が遅れている
問題:
マーケティングチームが売上データを分析しようとしたが、必要なデータを取得するのに時間がかかっている。
結果として、適切なキャンペーン施策を打つのが遅れ、競争力が低下してしまった。
DBエンジニアの貢献:
- データ取得クエリを最適化し、分析速度を向上させる
- データウェアハウス(DWH)を活用し、リアルタイム分析を可能にする
📌 今日からできるアクション
-- 商品ごとの売上ランキングを取得
SELECT product_name, SUM(price * quantity) AS total_sales
FROM order_details
GROUP BY product_name
ORDER BY total_sales DESC;
👉 「このデータを基に、どんなビジネス戦略が考えられるか?」を意識しよう!
📌 ケース②:財務レポートの精度が低い
問題:
財務部が作成するレポートに誤った数値が含まれていた。
原因を調査すると、データの集計方法に問題があり、集計ロジックが正しく設計されていなかった。
DBエンジニアの貢献:
- データの一貫性を保証するために、データモデリングを最適化する
- BIツールと連携し、正確なデータをリアルタイムで提供する
📌 今日からできるアクション
-- 月ごとの売上集計(財務部門向け)
SELECT DATE_TRUNC('month', order_date) AS month, SUM(total_price) AS monthly_sales
FROM orders
GROUP BY month
ORDER BY month;
👉 「集計データの正確性を確認し、どの指標がビジネスに影響を与えるか?」を考えよう!
6-2. 業務要件を理解し、データ設計を最適化する
データベースの設計は、単に技術的な観点だけでなく、ビジネス要件に基づいて行う必要があります。
適切なデータモデリングを行うことで、データの一貫性を保ち、分析しやすいデータ基盤を作ることができます。
📌 ① 事業部門のKPIを理解する
データベース設計を最適化するためには、ビジネスが重視する指標(KPI)を理解することが不可欠です。
📌 例えば、ECサイトでは以下の指標が重要になる
- 月間売上・購入回数・リピーター率(マーケティング部門)
- 商品ごとの販売動向(商品企画部門)
- 在庫状況・配送リードタイム(ロジスティクス部門)
📌 今日からできるアクション
-- 顧客ごとのリピート購入回数を算出
SELECT customer_id, COUNT(*) AS purchase_count
FROM orders
GROUP BY customer_id
HAVING purchase_count > 1;
👉 「このデータを活用して、どんな施策ができるか?」を考えてみよう!
6-3. データ分析の基礎を学び、ビジネスに貢献する
データベースエンジニアは、SQLを駆使してデータを操作できる強みを持っています。
このスキルを活かし、「データをビジネスにどう活用できるか?」を考えることが重要 です。
📌 ① BIツールを活用してデータを可視化する
BIツール(Tableau, Looker, Power BI)を使うことで、データの可視化が容易になり、ビジネス意思決定のスピードが向上します。
📌 今日からできるアクション
-- 売上の推移を可視化するデータを取得
SELECT DATE(order_date), SUM(total_price) AS daily_sales
FROM orders
WHERE order_date > CURRENT_DATE - INTERVAL '30 days'
GROUP BY DATE(order_date);
👉 「データを可視化することで、どんな洞察が得られるか?」を考えてみよう!
6-4. クラウドコストを意識したデータベース運用
クラウド環境では、使った分だけ課金される ため、コスト管理が非常に重要です。
データベースエンジニアは、パフォーマンスだけでなく、コスト最適化 も考慮する必要があります。
📌 ① クエリの最適化でコストを抑える
💡 なぜ重要?
- クラウドDWH(BigQuery, Redshift など)では、無駄なクエリを実行すると料金が増加 する
📌 今日からできるアクション
SELECT * FROM `bigquery-public-data.samples.natality`
WHERE year > 2000;
👉 「クラウド環境では、コストを意識した運用を心がける!」
6-5. データをビジネス成果に結びつける
データを活用することで、企業の競争力を高めることができます。
エンジニアとして、データの価値を最大化するアイデアを提案できるようになりましょう。
📌 ① ビジネスチームと連携する
DBエンジニアは、マーケティング・営業・カスタマーサポートと連携し、データの活用方法を一緒に考える ことが重要です。
📌 今日からできるアクション
-- カスタマーサポート向けに、顧客の問い合わせ履歴を提供
SELECT customer_id, COUNT(*) AS support_requests
FROM support_tickets
GROUP BY customer_id
ORDER BY support_requests DESC;
👉 「データを活用し、ビジネスに貢献する視点を持とう!」
6-6. まとめ
✔ ビジネス視点を持ち、データ活用の価値を理解する!
✔ KPIを意識し、データ分析を活用して意思決定を支援する!
✔ クラウドコストを最適化し、無駄を減らしたデータ運用を実践!
✔ ビジネスチームと連携し、データを活用した施策を提案する!
🔰 次のステップ:「第7章:3年間で身につけた実践力と今後の展望」
👉 データベースエンジニアとしてのキャリアを振り返り、次の成長フェーズを考えよう!