第14回
業務効率化：メール・議事録・資料作成

• 目的：業務効率化の代表的な活用パターンを学ぶ
• ゴール：業務の効率化をChatGPTで実感できるようになる
• 想定読者：仕事のスピードや質を上げたい、ChatGPT初心者〜中級者のビジネスパーソン

業務の中で、こんなことに心当たりはありませんか？

• 📎 メール文や議事録の作成に、毎回時間がかかる
• 📎 会議メモを整理できず、そのまま放置してしまう
• 📎 ToDoが多すぎて、何から手をつければいいか分からない

実はこれらはすべて、ChatGPTが得意とする領域です。 本記事では、メール・議事録・タスク整理の3つを軸に、ChatGPTを“業務の右腕”として使う実践的な方法を解説します。

読み終える頃には、「あ、これなら自分でも明日から取り入れられる」と思える活用アイデアが必ず見つかるはずです。 ぜひ、あなたの仕事に合った使い方を探してみてください。

14-1. ChatGPTで業務効率化できること全体像

14-1-1. ChatGPTが得意な「定型業務」とは？

業務における「定型業務」とは、構成が毎回ほぼ同じで、内容を一部入れ替えるだけで済むような作業のことです。たとえば、取引先へのお礼メール、会議招集の案内、週次報告のまとめなどが典型です。

ChatGPTはこうした業務が非常に得意です。なぜなら、これらは「一定の型＝テンプレート」があり、その型に沿って言葉を並べる作業が中心だからです。ChatGPTは、大量の言語パターンを学習しており、「型に沿った自然な文章を即座に生成する」ことができます。

加えて、ChatGPTは「文調の調整」も可能です。たとえば同じ内容でも、以下のようにトーンを変えて書き分けられます：

・ビジネス的に丁寧な文：「ご多忙のところ恐縮ですが、下記の件ご確認いただけますと幸いです。」
・カジュアルな社内向け：「ちょっと確認お願いできますか？念のため共有しておきますね。」

この柔軟さがあるため、ChatGPTは単なる文章生成ツールではなく、トーン設計や文体統一といった“言葉の演出”にも活用できます。

14-1-2. ChatGPTの代表的な業務活用パターン

「実際にどんな仕事に使えるのか？」という問いは、読者の多くが最初に感じる疑問です。その答えとして重要なのは、「思考を言語化する作業」や「要素を整えて文章にする作業」にChatGPTが強いということです。

たとえば、言いたいことは頭の中にあるけれど、文章にするのに時間がかかる——というとき、ChatGPTはあなたの“代弁者”になります。メモの断片や箇条書き、曖昧なアイデアを渡すだけで、伝わる文章へ変換してくれます。

また、報告書や議事録のように「情報を整理して伝える」作業にも強みを発揮します。話の流れや優先順位、関連する項目を自動で分類・整形してくれるため、読みやすく、抜けのない文書に仕上がります。

このように、ChatGPTは「ゼロから書く」よりも「素材を整理して整える」のが得意なパートナーです。完成形の一歩手前を担うことで、あなたの業務時間を大きく削減します。

14-1-3. AIの限界と使いどころの見極め方

ChatGPTは非常に便利ですが、「万能」ではありません。使いこなすうえで最も大切なのは、「どこまで任せるか」「どこから自分で判断すべきか」を見極めることです。

まず知っておきたいのは、ChatGPTが出力する内容は「正しそうに見える自然文」であり、事実や最新情報とは限らないという点です。とくに、日付・数値・法律・契約条件といった「事実の正確性」が求められる文書では、人のチェックが必須です。

また、AIには「状況や関係性をふまえて表現を調整する力」はありません。たとえば、お詫び文ひとつとっても、相手との距離感や社内文化を読み取って文面を変えるのは、やはり人の役割です。

このため、ChatGPTは「情報整理・初稿生成・構成補助」に使い、「仕上げ・判断・表現の微調整」は自分で行うという使い分けが重要になります。 つまり、ChatGPTは“たたき台づくりのプロ”、あなたは“最終責任者”です。

この前提を守れば、ChatGPTは非常に頼れるパートナーになります。慣れれば、10分かかっていた文書が3分で書けるようになる──それが業務効率化の実感です。

✅ ChatGPTを使いこなすとは、「すべてを任せる」ことではなく、「適材適所で補助を受ける」ことです。

14-2. よく使う業務文書をすばやく作る

14-2-1. プロンプトを“書く”のではなく“話す”という発想

「プロンプトを考えるのが面倒」 これは、多くの人がChatGPTを使わなくなる最大の理由です。

でも実は、ChatGPTに命令っぽくプロンプトを書く必要はありません。 もっと自然に、“話しかけるように使っていい”んです。

たとえば、こう言ってみてください：

「今日メールを書かないといけないんですけど、うまく言葉が出てきません。
相手はA社の田中さんで、資料の再送をお願いしたいです。
前回送ってもらったファイルが開けなかったんです。」  

この“話し言葉”のまま、ChatGPTに伝えるだけで、以下のような完成度の高い文章が出てきます。

田中様

お世話になっております。株式会社◯◯の△△です。
先日お送りいただいた資料についてご連絡です。
恐れ入りますが、ファイルが正常に開けなかったため、再送いただけますでしょうか。

お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

これで十分なのです。 あなたは“伝えたいことを口にする”、ChatGPTは“伝わる文章に整える”—— この役割分担ができるだけで、仕事の文章作成は劇的に楽になります。

14-2-2. 文調やトーンも「ざっくり言えばいい」

「このメール、ちょっと堅すぎるかな？」 「もっとやわらかくしたいな」 そんなときも、わざわざプロンプトを作り直す必要はありません。

ChatGPTにこう言ってみてください：

「もうちょっと社内向けっぽく、カジュアルな文にしてくれる？」  
「このままだと堅すぎる気がします」  
「やわらかく、でもちゃんと丁寧にしたいです」

こうした“感覚的なリクエスト”でも、ChatGPTは柔軟に対応してくれます。 プロンプトを設計するのではなく、思ったことをそのまま話すだけ—— これが「自然に使える」第一歩です。

14-2-3. 面倒なときこそ、ChatGPTに“丸投げ”していい

「考えるのが面倒」「書くのが億劫」そんな日は、ChatGPTに最初から“丸投げ”してみてください。

たとえば、こんな言い方でも通じます：

「今日中に提出物の確認をお願いするメールを書かないとなんですが、頭が回ってません。
相手は部内のメンバーで、やんわりお願いしたいです。急ぎではないです。」

すると、ChatGPTは状況に合った丁寧かつやわらかい文章を整えてくれます。 重要なのは、「書こう」と思わないことです。 むしろ、「相談する」「代弁してもらう」くらいの感覚でいいのです。

14-2-4. よく使うパターンは“ひな形”にしてしまおう

とはいえ、毎回同じことを話しかけるのも面倒ですよね。 そんなときは「よくある業務」をChatGPT専用テンプレとしてストックしておくのがおすすめです。

たとえば、以下のような書き方を保存しておくと便利です：

以下の内容でメールを作成してください。
・相手：［宛名］
・目的：［何をお願い／伝えたいか］
・補足：［前回のやり取り、資料名などあれば］
・トーン：［堅め／ややカジュアルなど］

これをNotionやメモアプリに保存しておけば、あとは空欄を埋めて送るだけ。 日常の文章作成に“悩む時間”がなくなります。

• 🟢 思いついたまま話すだけで、文章になる
• 🟢 トーンはざっくり伝えれば調整してくれる
• 🟢 決まりきったメールはテンプレ化で完全自動化

✅ ChatGPTは「あなたの代わりに書く人」ではなく、
「あなたの言葉を形にしてくれる編集者」です。

14-3. 議事録・報告の要点を自動で整理する

14-3-1. 会議の情報、あなたはどこに残していますか？

「議事録を作らなきゃ」と思ったとき、何から始めていますか？ 手元のメモ？録音？Zoomの自動文字起こし？Slackログ？頭の中の記憶？

今の時代、会議記録は“ゼロから書く”ものではありません。 ほとんどの場合、何らかの一次情報がすでに存在しています。

• 🎙 録音 → テープ起こしアプリ or 自動トランスクリプト
• 🧾 自動議事録 → Zoom AI Companion、Otter.ai、Teamsメモ
• 💬 チャットログ → SlackやGoogle Chatのリアルタイム記録
• 🧠 記憶 → 「何となくこんな話をした」でも立派な素材

つまり、現代の課題はこうです：

✅ 「情報がない」ではなく、「情報がありすぎて整理できない」

14-3-2. ChatGPTは“整えてくれる編集者”である

ChatGPTの本質は、「あなたの記録を、誰にでも伝わる形に整えること」。 たとえば、こんなふうに使ってみてください。

この会議メモをSlackで共有したいので、
● 箇条書き
● 決定事項／検討中項目／次回予定に分けて
● 読みやすいフォーマットで出力してください

・A社納品：完了、フィードバック良好  
・B社見積もり：未着→佐藤さんが再依頼  
・課題：販促資料が分かりにくい→再構成案を来週検討  
・次回定例：5/14（月）10時から

ChatGPTはこの入力から、以下のように整えてくれます：

■5/7 定例ミーティング報告（共有用）

【決定事項】
– A社納品完了。フィードバックは良好。
– 次回定例：5/14（月）10:00〜

【検討中の項目】
– B社の見積もり未着。佐藤さんが再依頼予定。
– 販促資料が分かりにくいため、再構成案を次回提示予定。

ここでのポイントは、あなたが「構成を考える必要がない」こと。 ChatGPTは情報を読み取り、分類・整形・整文まで行ってくれます。

14-3-3. 入力スタイル別：最適なChatGPTの使い方

会議の記録方法に応じて、ChatGPTへの伝え方も変わります。 ここでは、代表的な3パターンの使い方を紹介します。

• 📄 文字起こし済み：
  →「この全文から議事録に必要な要点だけを抜き出してください」
• 🧾 議題メモ・箇条書き：
  →「このメモを、議事録形式に整えてください。Slack共有用にお願いします」
• 🗣 記憶ベース：
  →「今日の会議、こんな内容でした（箇条書き or 口語）。議事録としてまとめてもらえますか？」

重要なのは、「文体を整えて」「構成を補って」「共有できる形にする」というゴールを伝えること。 そうすれば、どんな素材でも整った議事録に変換できます。

14-3-4. 出力の“質”を上げる3つの工夫

ChatGPTの出力は、ちょっとした一言で大きく変わります。 以下の3つを付け加えるだけで、“そのまま共有できる品質”に近づきます。

1. ① 誰に渡すのか（上司／社内メンバー／社外）
2. ② どう使うのか（Slackで流す／メールに添付／議事録PDF化）
3. ③ どんなトーンか（ビジネス丁寧／カジュアル／端的）

💬 例：「この内容を、部内向けSlack共有用に。箇条書き＋ややカジュアルなトーンでお願いします。」

14-3-5. ChatGPTに任せてよいこと vs. 自分が確認すべきこと

ChatGPTに任せられるのは、構成・要点抽出・体裁整えの部分です。 一方、あなたが確認すべきは内容の正確性・用語・言い回しの意図です。

AIは論理的整形が得意。 でも、ニュアンスや社内の文脈までは読めません。 だからこそ「7〜8割はAIに任せて、仕上げだけ人が見る」という分担が最適です。

• 🟢 AIに任せてOK：構成・書式・文体・分類・視認性
• 🟡 人がチェックすべき：事実確認・固有名詞・社内用語

14-3-6. 「議事録がラクに整う体験」を一度でも味わえば手放せない

最初は半信半疑でも、一度「思ったことを話すだけで、議事録っぽい形に整う」体験をすれば、 「もう自分で1から書くのはムリかも…」と感じるようになります。

ChatGPTは、議事録の「書き方」ではなく「整理の思考そのもの」を支援してくれる存在です。

✅ ChatGPTは“あなたの記憶と記録をつなぎ”、
“読み手のために再構成してくれる”、静かなけれど頼れる補佐役です。

14-4. タスク・スケジュールを“思考整理”する

14-4-1. まず前提：タスク整理は“疲れてる人”にこそ必要

タスクを整理したい。でも、整理しようと思うだけで疲れる。 頭の中はパンパン。何から手をつければいいのかもわからない。 そんなとき、私たちはつい「整理する気力が出たらやろう」と思いがちです。

でも実は逆。“整理しなきゃ”と思っているときこそ、すでに限界が近いサインなのです。

✅ 整理したいけど動けない。それはあなたの意思が弱いからではなく、
「情報の処理が飽和している」からです。

14-4-2. 自分で考えなくていい。「話しかけるだけ」の始め方

ここでChatGPTの出番です。でも、こう思う方もいるでしょう：

• 「プロンプトを考える気力すらない」
• 「何を伝えればいいかが、もう分からない」

だからこそ、“貼るだけで使えるテンプレ”を用意しておくのです。 たとえば、こう伝えてみてください。

頭がパンクしていて、何から手をつければいいのか分かりません。  
この状態から、整理するために何を聞いてもらえますか？

この一言だけで、ChatGPTは“問いかけ役”に回り、あなたの思考を少しずつ引き出してくれます。 まるで“頭の中を整えてくれる同僚”がそばにいるような感覚です。

14-4-3. 「今やるべきこと」が自然に浮かび上がる体験

ChatGPTに吐き出した言葉は、整ったタスクリストに生まれ変わります。 たとえば、こんな会話が成り立ちます：

とりあえず思いつく順に書き出します。  
優先順位と「今日・今週・あとで」くらいで分けてください。

・A社対応（たぶん今日中）  
・経費精算  
・金曜会議の準備  
・資料の誤字チェック  
・社内報告の下書き

■タスク整理結果

【今日】
– A社対応（返信が必要）
– 経費精算（提出期限あり）

【今週中】
– 金曜会議の準備
– 資料の誤字チェック

【来週以降／余裕があれば】
– 社内報告の下書き

このように、「ただ言っただけ」で、可視化され、順序がつき、動ける状態になる。 これが、ChatGPTによる“思考の地ならし”効果です。

14-4-4. 書きっぱなしメモ・バラバラの付箋も整理してくれる

メモアプリに埋もれた箇条書き、付箋アプリに貼った断片── これらもChatGPTは「やることリスト」に整えてくれます。

以下は最近のメモです。どれが“やるべきこと”か分類してもらえますか？

・営業進捗：月内報告？  
・社内イベント：出欠いつまで？  
・サイトの更新：バナーの件？  
・△△さんに御礼（何送る？）  
・健康診断の申込（来週中？）

こうした曖昧な情報でも、ChatGPTは「行動に直結するToDo」へ再構成してくれます。 この再構成力こそが、あなたの「動けない原因」を解消する鍵です。

14-4-5. 毎日やることを分類してくれるルーチンにする

ChatGPTとのタスク整理は、習慣化するとさらに威力を発揮します。 たとえば毎朝、以下のテンプレを貼るだけで1日の思考整理が完了します。

おはようございます。  
今日の予定ややることを一緒に整理してください。  
以下に思いつくことを書きますので、「今日・今週・保留」で分類してもらえますか？

さらに、「今日は何から手をつけたほうがいい？」とChatGPTに聞けば、 状況や期限感をふまえた“最適なスタート地点”を提案してくれます。

14-4-6. ToDoリストではなく「思考の整頓パートナー」として使う

Notion、Todoist、Googleカレンダー—— これらは「決まったタスクを管理するツール」です。 でも、「まだ形になっていない頭の中」を整えてくれるのはChatGPTだけです。

つまり、役割分担はこうなります：

• 📋 タスクを記録・期限管理したい → Notionやタスク管理アプリ
• 🧠 やることを考えるのがしんどい → ChatGPTに話す

ChatGPTは“行動を決める前の段階”──つまり「考えがまとまらない時の相棒」です。

✅ あなたの中の「やらなきゃいけないけど、頭が動かない」 その状態から脱出するには、まず“言葉にすること”から始めましょう。 ChatGPTは、その最初の一言を受け止めてくれる存在です。

14-5. バレずに・上手に使いこなす工夫（完全版）

14-5-1. 「AIに頼ること」にうしろめたさを感じてしまう理由

ChatGPTを仕事に使っていて、こんな気持ちになったことはありませんか？

• 「なんだかズルしてる気がする…」
• 「自分でやってないって思われそう」
• 「使ってるのを正直に言うのが怖い」

それは自然な反応です。なぜなら、私たちは「自分の頭で考えて成果を出す」ことに 価値を置く教育と文化の中で育ってきたからです。

でも今、私たちは新しいフェーズに立っています。 「AIに任せることが恥ずかしい」のではなく、 「AIをどう使いこなすか」が問われる時代です。

✅ あなたの価値は、「書いたかどうか」ではなく、
「整え、判断し、届けたかどうか」に宿ります。

14-5-2. AIに書かせたことがバレるのはどんなとき？

ChatGPTの出力には、いくつかの“癖”があります。 そのまま使うと、以下のような「GPTっぽさ」が残ってしまい、違和感につながります。

• 📎 やたら整いすぎた文体（〜となります。〜でございます。）
• 📎 主語が曖昧（私たち／当社／本プロジェクト）
• 📎 締めが丁寧すぎる or 回りくどい

これらをそのまま提出・送信してしまうと、「あ、AIだな」と気づかれるリスクが上がります。

14-5-3. バレない・自然な成果物に仕上げる編集術

GPTの出力を“あなたの文章”に変えるには、次の3ステップが効果的です。

1. ① 文末・語尾を「自分の口調」に変える
   → 例：「〜となります」→「〜になります」または「〜です」
2. ② 語調を“ややフランク”に落とす
   → 「何卒よろしくお願い申し上げます」→「どうぞよろしくお願いいたします」
3. ③ 自分の判断・感想・一言を足す
   → 「この内容をもとに進めます」＋「特に○○の部分が重要と考えています」

この「ひと手間」を加えるだけで、読み手は「あなたが考えて書いた」と自然に受け取ってくれます。

14-5-4. “使いこなしてる人”に見せるための演出ポイント

ChatGPTを使っていても、「ただの依存」ではなく「うまく活用してる人」と思われるかどうかは、 見せ方の工夫にかかっています。

以下は“プロっぽく見せる”使い方のコツです：

• 💡 冒頭や脚注に「AIで構成した下書きです」と明記する（正直さ＋構成力）
• 💡 「大枠はAIに任せて、表現や判断は自分で整えました」と補足する
• 💡 「GPTに草案を作らせたらこうなりました」と、ユーモアを込めて共有

こうすることで、「使ってるけど考えてる」「ツールを従えてる」感が自然に伝わります。

14-5-5. どこまで任せて、どこから自分でやる？

ChatGPTを業務で使うとき、「どこまでがAIの仕事で、どこからが自分の責任か」は明確にしておきたいところ。 おすすめは次のような線引きです。

任せてOK（AIの得意分野）	自分で確認・調整すべき領域
構成案の作成 定型的な言い回し 文章のトーン変更 内容の要点整理	事実確認（数値・日時） 相手に応じた語調調整 主語・視点の統一 文脈・誤解の回避

✅ ChatGPTは“草案作成”のプロ。
でも“最終提出物の監修者”は、あなたです。

14-5-6. 正々堂々、でも自然に「使っている」と伝えるには？

「AIで作ったって言っていいの？」と不安に思う方も多いはず。 実は、“言うかどうか”よりも、“どう伝えるか”がポイントです。

こんな言い方が、自然かつスマートです：

💬「このたたき台はChatGPTで整理しました。内容チェックと表現は自分で整えてあります。」
💬「AIを試しに活用してみたんですが、結構よくまとまったのでご意見ください。」
💬「整理はAIで、判断と判断基準は私の担当です。」

このように伝えれば、「手を抜いた」のではなく「工夫している」と捉えてもらえます。

14-5-7. あなたは“使われる人”ではなく、“使いこなす人”になれる

ChatGPTを使っていることに後ろめたさがあるなら、それは「使い方に自信がない」からではありません。 むしろ、自分の力が不要になるような感覚が怖いのです。

でも本当は逆。AIは、あなたの判断・感性・表現力の“余白”を広げてくれる存在です。

✅ 「AIを使ってるのに、自分らしい」
その感覚を得られたとき、あなたは真の“活用者”になっています。

14-6. まとめ｜ChatGPTは“業務パートナー”として育てよう

14-6-1. 「ChatGPTで業務効率化」は現実的な選択肢になった

この回では、メール文書の作成、議事録の要点整理、タスクやスケジュールの思考整理など、 ChatGPTが業務で実際に使えるシーンを具体的に掘り下げてきました。

その中で一貫してお伝えしてきたのは、次のようなことです：

• 📌 ChatGPTは「書く」ではなく「整える・支える」が得意
• 📌 整理できないときこそ、まず“話す”ことで整理が始まる
• 📌 AIに任せたあと「自分のひと手間」が成果物になる

そして何より、ChatGPTはただのツールではなく、 「あなたの業務のパートナー」として育てていける存在である、ということです。

✅ ChatGPTは使い捨ての道具ではありません。
あなたの“考える力・整える力・伝える力”を拡張する仲間です。

14-6-2. あなたとChatGPTの“いい関係”のつくりかた

どんなに便利でも、丸投げでは信頼されない。 どんなに自力でも、効率が悪ければ疲弊してしまう。

そのバランスの中で、以下のような関係性を築くことが、 “自然に使えて、成果が出るChatGPT活用”の秘訣です。

ChatGPTに任せること	自分が担うこと
たたき台の生成 構成案の提示 文のトーン調整 要点の抽出	事実の確認 判断・表現の意図づけ 相手に合わせた文の整え 納得できる仕上げ

この「任せるところは任せて、仕上げは自分で整える」姿勢こそが、 あなたの信頼にも、評価にもつながる使い方です。

14-6-3. 明日から“手を動かす前に”ChatGPTに話しかけてみよう

業務で「何か書かなきゃ」「まとめなきゃ」「考えなきゃ」と思ったら、 いきなり手を動かすのではなく、まずはChatGPTに話しかけてみてください。

こんなふうに：

「今日はちょっとタスクが多くて頭が混乱してます。  
今やるべきことを一緒に整理してもらえますか？」

この一言から、あなたの業務は確実に“整い始めます”。 小さな思考整理から、行動の一歩が生まれる。 それがChatGPTの最大の効率化効果です。

✅ ChatGPTをうまく使う人は、
「考えずに使う人」ではなく、
「考えるために使う人」です。

14-6-4. 次回予告：あなたの仕事に、もっとChatGPTを

業務効率化にChatGPTを取り入れることで、あなたの時間、集中力、表現力が解放されていきます。 次回はさらに踏み込み、「学習支援：教科別アドバイスと復習術」へ進みます。

日々の業務だけでなく、あなた自身の学びやスキルアップにもChatGPTを活かすヒントをお届けします。

まずは、「自分の業務に1つだけ」ChatGPTを試してみてください。
あなたの業務に、整いと余白が生まれます。