【NW】第5章:高度な技術とリーダーシップ ~18ヶ月~36ヶ月で磨く次のステップ~

【NW】第5章:高度な技術とリーダーシップ ~18ヶ月~36ヶ月で磨く次のステップ~

基礎を固め、実務経験を積んだら、次のステップは高度な技術の習得とリーダーシップの発揮です。
この章では、より大規模なネットワーク設計、トラブルシューティングの高度化、プロジェクトリード、チームのマネジメントなど、実務の中で求められるスキルを強化するための具体的な手法を解説します。


5-1. 大規模オンプレミスネットワークの設計と運用 🏢🌍

✅ L2/L3設計の考え方

小規模なオフィスネットワークとは異なり、大規模ネットワークではL2とL3の適切な分離と設計が求められます。
特に、データセンターや企業の本社ネットワークでは、拡張性・冗長性・可用性を考慮することが不可欠です。

📌 例:大規模ネットワーク設計のポイント

設計要素考慮すべきポイント
L2スイッチングVLANの適切なセグメント化、STPの設定、BPDUガード適用
L3ルーティングOSPF/BGPの利用、ECMP(Equal Cost Multi Path)
冗長化設計VRRP/HSRP、スパインリーフ構成の適用

📌 具体例:データセンターの設計

  • スパインリーフ構成(複数のスイッチを並列接続し、可用性を向上)
  • VRRPによるルータの冗長化(片方のルータがダウンしても通信可能)
  • OSPFを活用した動的ルーティング(障害発生時に自動でルート切り替え)

🎯 今日からできるアクション

社内ネットワークの設計書を確認し、L2/L3の役割分担を理解する
「show spanning-tree」や「show ip route」コマンドを実行し、現在のネットワーク構成を分析する
GNS3でスパインリーフ構成を作成し、ルーティングの冗長化をテストする


5-2. ネットワークの冗長化と可用性向上 🔄🛡️

✅ HSRP/VRRPの実践

ルータの冗長化は、企業ネットワークの信頼性を確保する上で欠かせないスキルです。
例えば、VRRPを活用すると、1台のルータがダウンしても別のルータが自動的に通信を引き継ぐことができます。

📌 VRRPの設定手順

プライマリルータの設定

Router(config)# interface g0/1
Router(config-if)# ip address 192.168.1.1 255.255.255.0
Router(config-if)# vrrp 1 ip 192.168.1.254
Router(config-if)# vrrp 1 priority 150
Router(config-if)# vrrp 1 preempt

バックアップルータの設定

Router(config)# interface g0/1
Router(config-if)# ip address 192.168.1.2 255.255.255.0
Router(config-if)# vrrp 1 ip 192.168.1.254
Router(config-if)# vrrp 1 priority 100

🎯 今日からできるアクション

「show vrrp」コマンドを実行し、現在のルータ冗長化の状態を確認する
GNS3でVRRPを設定し、フェイルオーバーテストを実施する
社内ネットワークで冗長化が適用されている箇所を調査する


5-3. ループ障害の防止と運用高度化 🔄⚠️

✅ STPの高度な設定

ネットワークループは、企業ネットワークにとって致命的な障害を引き起こす可能性があります。
そのため、RSTP(Rapid Spanning Tree Protocol)やMSTP(Multiple Spanning Tree Protocol)を適切に設定する必要があります。

📌 RSTPの設定

Switch(config)# spanning-tree mode rapid-pvst
Switch(config)# interface g0/1
Switch(config-if)# spanning-tree portfast
Switch(config-if)# spanning-tree bpduguard enable

🎯 今日からできるアクション

「show spanning-tree」コマンドを実行し、ルートブリッジを確認する
GNS3でSTPの誤設定を試し、ループ障害がどのように発生するかをシミュレーションする
BPDUガードが適用されているかを調査し、必要なら設定する


5-4. プロジェクトリードの実践 🎯📋

✅ 変更管理とリスク管理

ネットワークの変更は、慎重に進めなければ大規模な障害を引き起こすリスクがあります。
そのため、事前に変更計画を策定し、影響範囲を明確にすることが重要です。

📌 変更計画の作成例

項目内容
変更内容VLAN 10を新規作成し、営業部に適用
影響範囲営業部のPCが一時的にネットワーク接続できなくなる可能性
ロールバック計画VLAN設定を元に戻すコマンドを事前に用意

🎯 今日からできるアクション

社内の変更管理プロセスを調べ、変更作業のリスク評価方法を学ぶ
小規模なネットワーク変更を担当し、影響範囲を事前に評価する
GNS3で設定変更のシミュレーションを行い、失敗時の影響を確認する


この章を徹底的に理解し、高度な技術とリーダーシップを磨くことで、プロフェッショナルなネットワークエンジニアへと成長できます! 🚀