【NW】第6章：ビジネス視点の取り入れ ～ネットワークをビジネス成果に結びつける～

2025.01.22

【NW】第6章：ビジネス視点の取り入れ ～技術をビジネス成果に結びつける～

ネットワークエンジニアとして技術力を高めることはもちろん重要ですが、企業経営やビジネス戦略とネットワークを結びつけて考えられるエンジニアこそ、市場価値の高い人材です。
この章では、ネットワークとコスト管理、業務改善、ビジネス視点の取り入れ方について具体的な実践方法を詳しく解説します。

6-1. ネットワークとコスト評価 💰📊

✅ ネットワークコストの重要性

ネットワークエンジニアの業務は技術的な側面が強いですが、コストの最適化を意識することで、企業に貢献できるエンジニアへと成長できます。
特に、IT予算の削減や最適化が求められる中で、運用コストの見直しや投資対効果（ROI）の分析スキルを持つことが重要です。

📌 企業のネットワークコストの主な内訳

コスト要素具体例
ハードウェア費用ルータ、スイッチ、ファイアウォールの購入・リース費用
ライセンス費用Cisco、Fortinetなどの年間サブスクリプション
運用・保守費用ベンダーのサポート契約、障害対応工数
データセンター・電力費用サーバールームの冷却コスト、ラックスペース使用料
回線費用ISP、VPN、MPLS、SD-WANの回線契約

📌 コスト削減の具体例

  • 古いネットワーク機器の更新で保守費用を削減
    • 例：10年前のスイッチのサポート費用が高騰 → 最新モデルに切り替えて5年間のサポート契約を結ぶ
  • SD-WANを導入し、MPLSの高額回線コストを最適化
    • 例：拠点間のMPLS回線（1Gbps）が高額 → インターネット回線＋SD-WANでコスト削減

🎯 今日からできるアクション

✅ 社内のネットワーク機器の保守契約を調査し、更新が必要な機器をリストアップする
✅ クラウドサービス（AWS, Azure）とオンプレ環境のコスト比較を行う
✅ SD-WANやVPNを活用したコスト削減事例を調べ、導入可能か検討する

6-2. 業務改善の実践例 🚀🛠️

✅ 自動化・効率化でネットワーク運用を改善する

ネットワーク運用には多くの手作業が伴いますが、自動化することでエンジニアの負担を減らし、業務効率を向上させることが可能です。

📌 自動化による業務改善の例

課題解決策
手動でのスイッチ設定が多く、ミスが発生Ansibleで自動化し、設定ミスを防ぐ
障害発生時の初動対応が遅い監視ツールで自動通知＋スクリプトでログ収集
週次の設定バックアップが手作業自動バックアップスクリプトをCronで定期実行

📌 Ansibleを使ったスイッチ設定の自動化

- name: VLAN設定の適用
  hosts: switches
  tasks:
    - name: VLAN 10の作成
      ios_config:
        lines:
          - vlan 10
          - name Sales

🎯 今日からできるアクション

✅ 現在の業務で「時間がかかっている作業」を3つリストアップし、自動化できるか検討する
✅ PythonまたはAnsibleの基本を学び、簡単なスクリプトを書いてみる
✅ 週1回、自動化のアイデアをチーム内で提案する場を作る

6-3. ネットワーク品質向上とビジネス貢献 📈🔍

✅ QoSを活用してネットワークを最適化

ビジネスにおいてネットワークの品質は重要です。QoS（Quality of Service）を適用することで、重要な通信を優先的に処理できます。

📌 QoSの設定例（Cisco）

Router(config)# class-map match-any VOICE
Router(config-cmap)# match protocol rtp
Router(config)# policy-map QOS_POLICY
Router(config-pmap)# class VOICE
Router(config-pmap-c)# priority 1000
Router(config)# interface g0/1
Router(config-if)# service-policy output QOS_POLICY

🎯 今日からできるアクション

✅ 「show policy-map interface」を実行し、QoSの適用状況を確認する
✅ 社内でネットワーク遅延の原因を調査し、QoS適用の必要性を検討する
✅ GNS3でQoSの設定を試し、トラフィックの制御を実験する

6-4. 社内提案のスキルを磨く 💡📢

✅ 経営層に向けた提案の仕方

技術的な知識だけでなく、経営層に対して「なぜこの施策が必要か？」を明確に伝えられる力が求められます。

📌 具体例：社内提案資料の構成

  1. 現状の課題：「社内のVPN接続が遅く、業務に支障が出ている」
  2. 解決策の提案：「SD-WANを導入することで、回線品質を向上」
  3. コストとメリット：「現状のVPNコストを20%削減できる」

🎯 今日からできるアクション

✅ 社内のネットワーク改善点を1つ見つけ、簡単な提案書を作成する
✅ 上司や同僚に「この施策はどう思うか？」と意見をもらう
✅ 次回のチームミーティングで、改善提案を発表する

この章を実践すれば、ネットワーク技術をビジネス成果に結びつけるエンジニアへと成長できます！ 🚀