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AlmaLinux 9 システム基本情報の確認

AlmaLinux 9 のサーバーを引き継いだとき、あるいは新規構築の直後に「まずこのサーバーの状態を把握したい」と思う場面は多いはずです。本記事では、OS バージョン・カーネル・CPU・メモリ・ディスク・ネットワーク・仮想化判別・時刻同期・SELinux など、サーバーの基本情報を確認するコマンドを実行例と出力の読み方つきでまとめています。入社1〜3年目のインフラエンジニアが、現場でそのまま使えるリファレンスとして活用できる構成です。

コマンド早見表

確認したい情報コマンド
OS バージョンcat /etc/almalinux-release
OS 詳細情報cat /etc/os-release
カーネルバージョンuname -r
カーネル詳細uname -a
ホスト名・OS・仮想化hostnamectl
CPU 情報lscpu
メモリfree -h
ディスク構成(ブロックデバイス)lsblk
ディスク使用率df -hT
自動マウント設定cat /etc/fstab
IP アドレスip addr show
IP アドレス(簡易表示)ip -br addr show
ルーティングip route show
DNS 設定cat /etc/resolv.conf
ファイアウォール状態firewall-cmd –state
ファイアウォール詳細firewall-cmd –list-all
仮想化判別systemd-detect-virt
ハードウェア情報dmidecode -t system
稼働時間uptime
再起動履歴last reboot
ログインユーザーw
タイムゾーン・NTPtimedatectl
ロケール・キーボードlocalectl
SELinux 状態getenforce / sestatus
失敗サービス一覧systemctl –failed
直近のエラーログjournalctl -p err -b
インストール済みパッケージ数dnf list installed | wc -l

前提条件

項目
OSAlmaLinux 9.6(Sage Margay)
カーネル5.14.0-570.12.1.el9_6.x86_64
インストールタイプ最小限のインストール(Minimal Install)
実行ユーザー一般ユーザー(sudo 権限あり。dmidecode, firewall-cmd は root 権限が必要)

1. OS バージョンの確認

サーバーに入ったら最初に確認するのが OS バージョンです。AlmaLinux では専用のリリースファイルが用意されています。

almalinux-release

実行コマンド:

$ cat /etc/almalinux-release

実行結果:

AlmaLinux release 9.6 (Sage Margay)

OS 名、メジャー・マイナーバージョン(9.6)、コードネーム(Sage Margay)が 1 行で確認できます。障害対応時のヒアリングや手順書の冒頭に記載する情報として使います。

os-release

実行コマンド:

$ cat /etc/os-release

実行結果:

NAME="AlmaLinux"
VERSION="9.6 (Sage Margay)"
ID="almalinux"
ID_LIKE="rhel centos fedora"
VERSION_ID="9.6"
PLATFORM_ID="platform:el9"
PRETTY_NAME="AlmaLinux 9.6 (Sage Margay)"
ANSI_COLOR="0;34"
LOGO="fedora-logo-icon"
CPE_NAME="cpe:/o:almalinux:almalinux:9::baseos"
HOME_URL="https://almalinux.org/"
DOCUMENTATION_URL="https://wiki.almalinux.org/"
BUG_REPORT_URL="https://bugs.almalinux.org/"

ALMALINUX_MANTISBT_PROJECT="AlmaLinux-9"
ALMALINUX_MANTISBT_PROJECT_VERSION="9.6"
REDHAT_SUPPORT_PRODUCT="AlmaLinux"
REDHAT_SUPPORT_PRODUCT_VERSION="9.6"
SUPPORT_END=2032-06-01

ID_LIKE="rhel centos fedora" から、AlmaLinux が RHEL 互換ディストリビューションであることが分かります。SUPPORT_END=2032-06-01 はサポート終了日を示しており、サーバーのライフサイクル管理に必要な情報です。

2. カーネルバージョンの確認

カーネルバージョンはセキュリティパッチの適用状況を確認する際に必要です。脆弱性情報(CVE)と照合するときは、このバージョン番号を使います。

uname -r(カーネルバージョンのみ)

実行コマンド:

$ uname -r

実行結果:

5.14.0-570.12.1.el9_6.x86_64

バージョン文字列の読み方は次の通りです。5.14.0 がカーネルのメジャー・マイナー・パッチバージョン、570.12.1 が RHEL/AlmaLinux でのリリース番号、el9_6 が EL9(Enterprise Linux 9)の 9.6 向けビルドであること、x86_64 が 64bit アーキテクチャであることを示しています。

uname -a(全情報)

実行コマンド:

$ uname -a

実行結果:

Linux alma-main 5.14.0-570.12.1.el9_6.x86_64 #1 SMP PREEMPT_DYNAMIC Tue May 13 06:11:55 EDT 2025 x86_64 x86_64 x86_64 GNU/Linux

-a オプションでは、ホスト名(alma-main)、カーネルのビルド日時(Tue May 13 06:11:55 EDT 2025)、SMP(対称型マルチプロセッシング)対応であることなど、すべての情報が 1 行にまとまって出力されます。

3. ホスト名・OS・仮想化をまとめて確認する

hostnamectl は、ホスト名・OS 情報・仮想化環境・ファームウェアバージョンなどを一度に確認できるコマンドです。

実行コマンド:

$ hostnamectl

実行結果:

 Static hostname: alma-main
       Icon name: computer-vm
         Chassis: vm
      Machine ID: c4379656ad1d4b2ea2b05f49662678a6
         Boot ID: a04060e274b64106ab4b2d55ab20daaa
  Virtualization: microsoft
Operating System: AlmaLinux 9.6 (Sage Margay)
     CPE OS Name: cpe:/o:almalinux:almalinux:9::baseos
          Kernel: Linux 5.14.0-570.12.1.el9_6.x86_64
    Architecture: x86-64
 Hardware Vendor: Microsoft Corporation
  Hardware Model: Virtual Machine
Firmware Version: Hyper-V UEFI Release v4.1

注目すべきフィールドは以下の通りです。

  • Static hostname:サーバーのホスト名(alma-main)
  • Chassis:vm(仮想マシン)と表示されるため、仮想か物理かの判別に使える
  • Virtualization:仮想化基盤の種類(この例では microsoft = Hyper-V)
  • Hardware Vendor / Hardware Model:ハードウェアの製造元と機種名

4. CPU 情報の確認

lscpu は CPU のアーキテクチャ、コア数、スレッド数、キャッシュサイズなどを一覧で表示します。

実行コマンド:

$ lscpu

実行結果(主要フィールドを抜粋):

アーキテクチャ:                       x86_64
CPU 操作モード:                       32-bit, 64-bit
バイト順序:                           Little Endian
CPU:                                  2
オンラインになっている CPU のリスト:  0,1
ベンダー ID:                          AuthenticAMD
モデル名:                             AMD Ryzen 7 7840HS w/ Radeon 780M Graphics
CPU ファミリー:                       25
ソケット数:                           1
コアあたりのスレッド数:               2
ソケットあたりのコア数:               1
ハイパーバイザのベンダー:             Microsoft
仮想化タイプ:                         完全仮想化
L1d キャッシュ:                       32 KiB (1 instance)
L1i キャッシュ:                       32 KiB (1 instance)
L2 キャッシュ:                        1 MiB (1 instance)
L3 キャッシュ:                        16 MiB (1 instance)

この出力から読み取れるポイントは以下の通りです。

  • CPU: 2:仮想マシンに割り当てられた論理 CPU 数は 2
  • ソケット数: 1、ソケットあたりのコア数: 1、コアあたりのスレッド数: 2:1 ソケット × 1 コア × 2 スレッド = 2 vCPU という構成
  • ハイパーバイザのベンダー: Microsoft:Hyper-V 上の仮想マシンであることを示す
  • 仮想化タイプ: 完全仮想化:準仮想化ではなく完全仮想化で動作している

5. メモリの確認

free -h は、物理メモリと Swap の使用状況を人間が読みやすい単位(GiB, MiB)で表示します。

実行コマンド:

$ free -h

実行結果:

               total        used        free      shared  buff/cache   available
Mem:           3.8Gi       470Mi       3.4Gi        11Mi       132Mi       3.4Gi
Swap:          3.9Gi          0B       3.9Gi

free と available の違い

free は、どのプロセスにも使われておらず、カーネルのバッファ/キャッシュにも使われていない純粋な空きメモリです。available は、新しいプロセスが起動したときに利用可能なメモリ量で、カーネルが必要に応じて解放できるバッファ/キャッシュを含みます。メモリの余裕を判断するときは free ではなく available を見てください。この例では available が 3.4Gi あるため、メモリに十分な余裕があります。

6. ディスク構成の確認

lsblk(ブロックデバイス一覧)

lsblk は、ディスク・パーティション・LVM の論理ボリュームをツリー構造で表示します。

実行コマンド:

$ lsblk

実行結果:

NAME               MAJ:MIN RM  SIZE RO TYPE MOUNTPOINTS
sda                  8:0    0  100G  0 disk
├─sda1               8:1    0  600M  0 part /boot/efi
├─sda2               8:2    0    1G  0 part /boot
└─sda3               8:3    0 98.4G  0 part
  ├─almalinux-root 253:0    0 63.5G  0 lvm  /
  ├─almalinux-swap 253:1    0  3.9G  0 lvm  [SWAP]
  └─almalinux-home 253:2    0   31G  0 lvm  /home
sdb                  8:16   0   10G  0 disk
sdc                  8:32   0   10G  0 disk
sr0                 11:0    1 1024M  0 rom

この出力から、100G の sda ディスクが 3 つのパーティションに分かれ、sda3 上に LVM で root(63.5G)、swap(3.9G)、home(31G)が構成されていることが分かります。sdb と sdc はまだマウントされていない 10G のディスクです。sr0 は CD/DVD ドライブ(rom)です。

df -hT(ディスク使用率)

df -hT は、マウント中のファイルシステムごとに使用率・残容量・ファイルシステムタイプを表示します。

実行コマンド:

$ df -hT

実行結果:

ファイルシス               タイプ   サイズ  使用  残り 使用% マウント位置
devtmpfs                   devtmpfs   4.0M     0  4.0M    0% /dev
tmpfs                      tmpfs      2.0G     0  2.0G    0% /dev/shm
tmpfs                      tmpfs      783M  8.5M  774M    2% /run
/dev/mapper/almalinux-root xfs         64G  2.1G   62G    4% /
/dev/sda2                  xfs        960M  199M  762M   21% /boot
/dev/mapper/almalinux-home xfs         31G  254M   31G    1% /home
/dev/sda1                  vfat       599M  7.1M  592M    1% /boot/efi
tmpfs                      tmpfs      392M     0  392M    0% /run/user/1000

ディスク使用率 80% を超えたら要注意

ルートパーティション(/)やログ領域の使用率が 80% を超えると、ログの肥大化やパッケージ更新によって急激にディスクフルに陥るリスクがあります。定期的に df -hT で監視し、使用率が高い場合は不要なファイルの削除や LVM での拡張を検討してください。

cat /etc/fstab(自動マウント設定)

/etc/fstab は、OS 起動時に自動マウントするファイルシステムの設定ファイルです。

実行コマンド:

$ cat /etc/fstab

実行結果:

/dev/mapper/almalinux-root /                       xfs     defaults        0 0
UUID=d5b9e0e8-a172-44b3-85d5-c3fd4dd8dc03 /boot                   xfs     defaults        0 0
UUID=54A9-7F5C          /boot/efi               vfat    umask=0077,shortname=winnt 0 2
/dev/mapper/almalinux-home /home                   xfs     defaults        0 0
/dev/mapper/almalinux-swap none                    swap    defaults        0 0

fstab の各フィールドの意味は以下の通りです。

フィールド意味
デバイスマウント元(LVM パスまたは UUID)
マウントポイントマウント先ディレクトリ
タイプファイルシステムの種類(xfs, vfat, swap)
オプションマウントオプション(defaults 等)
dumpバックアップ対象(0=対象外)
passfsck の検査順序(0=検査なし)

7. ネットワーク情報の確認

ip addr show(IP アドレス詳細)

実行コマンド:

$ ip addr show

実行結果(eth0 を抜粋):

1: lo: <LOOPBACK,UP,LOWER_UP> mtu 65536 qdisc noqueue state UNKNOWN group default qlen 1000
    link/loopback 00:00:00:00:00:00 brd 00:00:00:00:00:00
    inet 127.0.0.1/8 scope host lo
       valid_lft forever preferred_lft forever
2: eth0: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc mq state UP group default qlen 1000
    link/ether 00:15:5d:01:63:34 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
    inet 192.168.1.121/24 brd 192.168.1.255 scope global noprefixroute eth0
       valid_lft forever preferred_lft forever

eth0 に 192.168.1.121/24 が割り当てられており、state UP でリンクアップしていることが分かります。link/ether の値は MAC アドレスです。

ip -br addr show(簡易表示)

NIC が複数ある環境では、-br(brief)オプションで一覧性の高い表示が得られます。

実行コマンド:

$ ip -br addr show

実行結果:

lo               UNKNOWN        127.0.0.1/8
eth0             UP             192.168.1.121/24
eth1             UP             10.0.1.1/24
eth2             UP             10.0.1.2/24
eth3             UP             10.0.2.1/24

インターフェース名・状態・IP アドレスが 1 行ずつ表示され、全 NIC の状態を素早く把握できます。

ifconfig は AlmaLinux 9 では使用できない

AlmaLinux 9 の最小構成では ifconfig コマンドを含む net-tools パッケージがインストールされていません。ネットワーク情報の確認には ip コマンドを使用してください。

ip route show(ルーティングテーブル)

実行コマンド:

$ ip route show

実行結果:

default via 192.168.1.1 dev eth0 proto static metric 100
10.0.1.0/24 dev eth1 proto kernel scope link src 10.0.1.1 metric 101
10.0.1.0/24 dev eth2 proto kernel scope link src 10.0.1.2 metric 102
10.0.2.0/24 dev eth3 proto kernel scope link src 10.0.2.1 metric 103
192.168.1.0/24 dev eth0 proto kernel scope link src 192.168.1.121 metric 100

1 行目の default via 192.168.1.1 dev eth0 がデフォルトゲートウェイです。外部ネットワークへの通信はこのゲートウェイを経由します。それ以降の行は、各サブネットへの経路を示しています。

cat /etc/resolv.conf(DNS 設定)

実行コマンド:

$ cat /etc/resolv.conf

実行結果:

# Generated by NetworkManager
nameserver 192.168.1.1

DNS サーバーとして 192.168.1.1(デフォルトゲートウェイと同じアドレス)が設定されています。名前解決に問題がある場合は、このファイルの nameserver の値を確認してください。

8. ファイアウォール(firewalld)の状態確認

AlmaLinux 9 では firewalld がデフォルトのファイアウォールです。firewall-cmd コマンドは root 権限が必要です。

実行コマンド:

# firewall-cmd --state

実行結果:

running

running と表示されれば、firewalld が稼働中です。

許可されているサービスやポートの詳細を確認するには、以下のコマンドを実行します。

実行コマンド:

# firewall-cmd --list-all

実行結果:

public (active)
  target: default
  icmp-block-inversion: no
  interfaces: eth0 eth1 eth2 eth3
  sources:
  services: cockpit dhcpv6-client ssh
  ports:
  protocols:
  forward: yes
  masquerade: no
  forward-ports:
  source-ports:
  icmp-blocks:
  rich rules:

この出力から読み取れる情報は以下の通りです。

  • public (active):アクティブゾーンは public
  • interfaces:eth0〜eth3 の全 NIC がこのゾーンに所属
  • services: cockpit dhcpv6-client ssh:許可されているサービスは Cockpit(管理用 Web UI)、DHCPv6 クライアント、SSH の 3 つ
  • ports:個別のポート番号での許可は設定されていない

9. 物理サーバーか仮想マシンかを判別する

systemd-detect-virt

仮想化環境の検出に特化したコマンドです。仮想マシンであれば仮想化基盤の名前が、物理サーバーであれば none が返ります。

実行コマンド:

$ systemd-detect-virt

実行結果(仮想マシンの場合):

microsoft

microsoft は Hyper-V を示します。その他の主な戻り値として、vmware(VMware)、kvm(KVM/QEMU)、oracle(VirtualBox)、xen(Xen)があります。物理サーバーの場合は none が返り、終了コードが 1 になります。

dmidecode -t system

dmidecode は SMBIOS/DMI テーブルからハードウェア情報を読み取るコマンドです。root 権限が必要です。

実行コマンド:

# dmidecode -t system

実行結果(仮想マシンの場合):

# dmidecode 3.6
Getting SMBIOS data from sysfs.
SMBIOS 3.1.0 present.

Handle 0x0001, DMI type 1, 27 bytes
System Information
	Manufacturer: Microsoft Corporation
	Product Name: Virtual Machine
	Version: Hyper-V UEFI Release v4.1
	Serial Number: 6816-9038-5161-5239-4578-7875-15
	UUID: 5270f101-9d80-4db3-a7dd-64820d87e6b0
	Wake-up Type: Power Switch
	SKU Number: None
	Family: Virtual Machine

ManufacturerProduct Name から、Microsoft の仮想マシン(Hyper-V)であることが読み取れます。Serial Number はホスト管理台帳との照合に使います。

物理サーバーの場合は以下のような出力になります。

System Information
	Manufacturer: Dell Inc.
	Product Name: PowerEdge R640
	Serial Number: XXXXXXX

dmidecode の主なオプション

オプション表示内容
-t systemシステム情報(製造元、製品名、シリアル番号)
-t baseboardマザーボード情報
-t processorCPU の物理情報
-t memoryメモリスロットごとの詳細情報
-t biosBIOS/UEFI のバージョン情報

10. 稼働時間と再起動履歴の確認

uptime

実行コマンド:

$ uptime

実行結果:

 14:42:05 up 13 min,  0 users,  load average: 0.00, 0.00, 0.00

現在時刻(14:42:05)、起動からの経過時間(13 分)、ログインユーザー数(0)、ロードアベレージ(1 分 / 5 分 / 15 分の平均値)が表示されます。ロードアベレージは CPU 数と比較して評価します。この環境は 2 vCPU なので、2.0 を常時超えるようであれば CPU がボトルネックになっている可能性があります。

last reboot

実行コマンド:

$ last reboot

実行結果:

reboot   system boot  5.14.0-570.12.1. Tue Mar 24 14:28   still running
reboot   system boot  5.14.0-570.12.1. Tue Mar 24 13:44 - 14:26  (00:42)
reboot   system boot  5.14.0-570.12.1. Tue Mar 24 13:43 - 13:44  (00:00)
reboot   system boot  5.14.0-570.12.1. Tue Mar 24 13:37 - 13:42  (00:04)
reboot   system boot  5.14.0-570.12.1. Tue Mar 24 13:35 - 13:36  (00:01)

再起動の履歴が新しい順に表示されます。想定外の再起動が記録されていた場合は、障害やカーネルパニックの可能性を調査する必要があります。

11. ログインユーザーの確認

w コマンドは、現在ログインしているユーザーと、そのユーザーが実行中のプロセスを表示します。

実行コマンド:

$ w

実行結果:

 15:38:01 up  1:09,  0 users,  load average: 0.00, 0.00, 0.00
USER     TTY        LOGIN@   IDLE   JCPU   PCPU WHAT

この例では 0 users と表示されており、ログインユーザーがいない状態です。メンテナンス作業前に他の作業者がログインしていないか確認する際に使用します。

12. タイムゾーン・NTP 同期状態の確認

NTP(Network Time Protocol)は、ネットワーク経由でサーバーの時刻を正確に同期するためのプロトコルです。AlmaLinux 9 では chronyd が NTP クライアントとして動作しています。

実行コマンド:

$ timedatectl

実行結果:

               Local time: 火 2026-03-24 14:41:54 JST
           Universal time: 火 2026-03-24 05:41:54 UTC
                 RTC time: 火 2026-03-24 05:41:54
                Time zone: Asia/Tokyo (JST, +0900)
System clock synchronized: yes
              NTP service: active
          RTC in local TZ: no

確認すべきポイントは以下の通りです。

  • Time zone: Asia/Tokyo (JST, +0900):日本標準時に設定されている
  • System clock synchronized: yes:NTP で時刻同期が完了している
  • NTP service: active:NTP サービス(chronyd)が稼働中

時刻がずれているとどうなるか

サーバーの時刻がずれていると、ログのタイムスタンプが不正確になり障害調査が困難になります。また、Kerberos 認証(Active Directory 連携)は時刻のずれが 5 分を超えると認証に失敗します。TLS/SSL 証明書の有効期限判定にも影響するため、System clock synchronized: yes になっていることを必ず確認してください。

13. ロケール・キーボード設定の確認

実行コマンド:

$ localectl

実行結果:

System Locale: LANG=ja_JP.UTF-8
    VC Keymap: jp
   X11 Layout: jp

LANG=ja_JP.UTF-8 は日本語ロケールが設定されていることを示します。コマンドの出力が日本語になるのはこの設定によるものです。英語で出力したい場合は、コマンドの先頭に LANG=C を付けて実行します。

14. SELinux の状態確認

getenforce

実行コマンド:

$ getenforce

実行結果:

Enforcing

SELinux の動作モードは 3 種類あります。

  • Enforcing:ポリシー違反をブロックし、ログに記録する(本番推奨)
  • Permissive:ポリシー違反をログに記録するが、ブロックしない(デバッグ用)
  • Disabled:SELinux が無効

sestatus(詳細情報)

実行コマンド:

$ sestatus

実行結果:

SELinux status:                 enabled
SELinuxfs mount:                /sys/fs/selinux
SELinux root directory:         /etc/selinux
Loaded policy name:             targeted
Current mode:                   enforcing
Mode from config file:          enforcing
Policy MLS status:              enabled
Policy deny_unknown status:     allowed
Memory protection checking:     actual (secure)
Max kernel policy version:      33

Loaded policy name: targeted は、ネットワークサービスなど対象を絞ったポリシーが適用されていることを示します。Current mode が現在の動作モード、Mode from config file/etc/selinux/config に記載された設定値(次回起動時に適用されるモード)です。

SELinux を安易に無効化してはいけない

SELinux が原因でアプリケーションが動作しないとき、setenforce 0 や設定ファイルで SELINUX=disabled にして対処するケースがありますが、本番環境での無効化は推奨されません。SELinux はプロセスのアクセス権を強制的に制限する仕組みであり、無効化すると脆弱性を突かれた際の被害範囲が拡大します。問題が発生した場合は ausearchaudit2why で原因を特定し、必要なポリシーを追加する方法をとってください。

15. サービスの起動状態確認

systemctl --failed は、起動に失敗した systemd ユニットを一覧表示します。

実行コマンド:

$ systemctl --failed

実行結果:

  UNIT LOAD ACTIVE SUB DESCRIPTION
0 loaded units listed.

0 loaded units listed. は、失敗したユニットがないことを示します。ここにサービスが表示された場合は、systemctl status サービス名journalctl -u サービス名 でエラーの詳細を調査してください。

16. 直近のエラーログ確認

journalctl -p err -b は、今回の起動(-b)以降で、エラーレベル以上(-p err)のログを抽出します。

実行コマンド:

$ journalctl -p err -b

実行結果:

 3月 24 14:28:58 alma-main kernel: Warning: Unmaintained driver is detected: ip_set

この例では、ip_set カーネルモジュールがメンテナンスされていないドライバーとして検出されています。firewalld の ipset 機能が内部的に使用するモジュールで、通常は運用に支障はありません。ただし、エラーログに重大な内容(ディスク I/O エラー、OOM Killer の発動など)が表示された場合は、速やかに対処が必要です。

17. インストール済みパッケージ数の確認

サーバーにインストールされているパッケージの総数を確認します。最小構成(Minimal Install)であれば 400 前後が目安です。

実行コマンド:

$ dnf list installed | wc -l

実行結果:

398

398 パッケージがインストールされています。最小構成としては標準的な数です。パッケージ数が極端に多い場合は、不要なパッケージがインストールされている可能性があるため、dnf list installed で個別に確認してください。

トラブルシューティング

dmidecode で「Permission denied」が出る

dmidecode は SMBIOS テーブルを読み取るために root 権限が必要です。一般ユーザーで実行すると以下のエラーが発生します。

/dev/mem: Permission denied

対処方法として、sudo を付けて実行してください。

実行コマンド:

# dmidecode -t system

lscpu の出力が日本語で読みにくい

ロケールが ja_JP.UTF-8 に設定されている環境では、lscpu の出力が日本語になります。英語で出力したい場合は、コマンドの先頭に LANG=C を付けます。

実行コマンド:

$ LANG=C lscpu

実行結果(先頭部分):

Architecture:                       x86_64
CPU op-mode(s):                     32-bit, 64-bit
Vendor ID:                          AuthenticAMD
Model name:                         AMD Ryzen 7 7840HS w/ Radeon 780M Graphics

スクリプトで lscpu の出力をパースする場合も、LANG=C を付けて英語出力にしておくと、フィールド名が安定するため処理しやすくなります。

ip コマンドが見つからない

ip コマンドが見つからない場合は、iproute パッケージがインストールされていません。以下のコマンドでインストールしてください。

実行コマンド:

# dnf install -y iproute

AlmaLinux 9 の最小構成では通常 iproute はインストール済みですが、カスタムイメージやコンテナ環境では含まれていない場合があります。

AlmaLinux 9 総合リファレンスガイド シリーズ一覧

  1. システム基本情報の確認(この記事)
  2. 初期設定
  3. ネットワーク設定(nmcli)
  4. パッケージ管理(dnf)
  5. ユーザー・グループ管理
  6. ファイアウォール(firewalld)
  7. SSH設定・鍵認証
  8. systemd / サービス管理
  9. ストレージ・LVM
  10. ログ管理(journalctl / rsyslog)
  11. cron / systemd timer
  12. セキュリティ強化
  13. パフォーマンス監視
  14. コンテナ管理(Podman)
  15. バックアップ・リストア