ChatGPT使い倒し入門シリーズ 第09回

第9回|そのズレ、直せます!ChatGPTトラブル脱出&再設計ガイド

  • 目的:ChatGPTとの対話でつまずいたときの原因と対処法を理解する
  • ゴール:誤答・ズレを自力で修正できる“再設計スキル”が身につく

この記事で得られること:ChatGPTの返答がズレる原因と仕組みを理解し、今すぐ使える改善テクニックとプロンプト設計スキルを習得できます。

あなたのせいじゃない。
ChatGPTがズレた答えを返すのは、“伝え方の仕組み”をちょっとだけ知らないだけ。
この記事を読み終わるころには、あなたも“修正できる人”になれます。

「ちゃんと聞いたつもりなのに、変な返事がきた…」
そんなモヤモヤは、ChatGPTユーザーの通過儀礼。
でも、そこであきらめず“再設計スキル”を身につければ、AIはもっと頼れる相棒になります。

9-1:なぜ思い通りにいかないのか?

9-1-1:「うまく返ってこない」よくある理由

ChatGPTとのやりとりで、「なんか違う」「求めてた答えじゃない」という場面はよくあります。
その原因の多くは、実は“聞き方”にあります。

  • 前提情報が足りない
  • 目的が伝わっていない
  • あいまい・抽象的な表現

9-1-2:ChatGPTが苦手なこととは?

ChatGPTは便利ですが、完璧ではありません。特に以下の点に注意が必要です。

  • 最新情報(Web検索なしでは2023年まで)
  • 事実確認(誤情報の可能性あり)
  • 計算やパズル(たまにミスがある)

9-2:シチュエーション別・ありがちトラブル集

9-2-1:返答がズレている/ピントが合っていない

意図がうまく伝わらないと、ChatGPTは見当違いの返答をすることがあります。
このズレを防ぐには、「前提+目的」のセットがカギです。

💬 プロンプト例:
「高校生向けの職業紹介記事を書いています。ゲームプログラマーの仕事内容を簡単に紹介してください。」

9-2-2:途中で止まる・エラーが出る

長文や複雑な依頼をすると、ChatGPTが途中で止まることがあります。
そんなときは、以下の方法で切り分けて対処しましょう。

  • 「続けて」と送る
  • 1ステップずつ分けて聞く
  • 要点や出力形式を指定して簡潔に

9-2-3:同じ質問で毎回結果が違う?

ChatGPTは「確率的」に言語を生成するため、まったく同じ質問でも違う答えになることがあります。

対処法:
・出力形式を指定する
・温度設定(creative / precise)を変える
・「例」を先に示すと安定しやすい

9-3:失敗から学ぶ“再設計”のコツ

9-3-1:どこが伝わっていないかを見極めよう

要素 よくある抜け 改善ヒント
目的 何がしたいか不明確 「○○のために〜してください」
背景 状況がわからない 「現在こういう状態で〜」
条件 制約が伝わらない 「3つ以内で」「中学生向けに」など

9-3-2:プロンプトを改善する「再設計」の実例

【プロンプト改善のBefore/After】

プロンプト改善のBefore/After
Before After
「SNSで人気の内容ってどんなの?」 「Instagramで30代女性に人気の投稿内容を、3つ、箇条書きで教えて。トレンド重視で。」
「レシピを教えて」 「5分で作れる朝食レシピを1つ、材料と手順を分けて教えてください。材料は3つ以内でお願いします。」

9-3-3:「意図を明文化する」と伝わりやすくなる

💬 プロンプト例:
「小学生にもわかるように、やさしくフレンドリーな語り口で説明してください」

9-3-4:再設計の3ステップで“ズレ”を修正しよう

ステップ やること ポイント
1. ズレた原因を見つける 目的・背景・条件のどれが不足? 質問を読み返して自己診断
2. 情報を補足する 足りなかった要素を追加 「○○を前提に」「△△な人向け」など
3. 出力形式で整える 表・リスト・制限条件を指定 伝え方を“構造化”する

9-4:困ったときの“使い方チェックリスト”

9-4-1:プロンプトの基本に立ち返る

  • ✅ 何をしたいのか(目的)
  • ✅ どんな状況か(背景)
  • ✅ どんなふうに出してほしいか(条件)

9-4-2:機能・制限・仕様の確認ポイント

確認例:
「GPT-3.5使用中(無料プラン)」「画像読み込み不可」「文字数上限あり」など

9-4-3:「バージョン違い」にも注意!

同じプロンプトでも、GPT-4とGPT-3.5では結果が大きく異なる場合があります。

9-5:まとめと次へのステップ

9-5-1:あなたはもう“再設計”できる?

✅ 3つのチェックポイント
□ 目的が明確に書かれているか?
□ 背景や前提を共有しているか?
□ 出力形式・トーン・対象を指定しているか?

9-5-2:次回予告「画像・音声・ファイル活用編」

次回は、ChatGPTの“見る・聞く・読む”力を最大限に活かす方法をご紹介します。
「画像から提案をもらう」「PDFを要約する」など、実践シーンが広がる内容です。
ChatGPTがさらに“頼れるパートナー”になる、その第一歩をお楽しみに!

9-6:自分のつまずきタイプを診断しよう

あなたはどれに当てはまる?
□ 答えがふわっとしている(→目的があいまい)
□ 意図と違う例が返ってきた(→背景が不足)
□ 回答が長すぎる・短すぎる(→条件が未指定)
□ 同じ質問なのに毎回違う(→出力形式が不定)

当てはまる項目があるなら、今こそ「再設計」のチャンスです!