業務外にホームラボを構え、複数の技術を並行して学ぶ個人インフラエンジニアにとって、学習記録の散逸は常に悩みの種です。
第 1 回: Cowork 機能マップ 2026年5月版 — 個人インフラエンジニアの活用 5 パターンでは、パターン 1「ホームラボ環境管理」として Cowork のフォルダスコープ(Folder Scope)とプロジェクト(Project)がこの問題に対応することを示しました。
本記事はその実装編として、Windows 11 Pro 環境の Hyper-V ホームラボに Cowork を組み込む手順を整理します。環境要件を満たしていれば 30 分で最小構成が整います。
Cowork は Hyper-V の上に Hyper-V を載せる — 環境要件の確認
Cowork をセットアップする前に、自分の Windows 環境が要件を満たしているかを確認します。特に見落とされやすいのが Windows エディションの問題です。
Cowork が内部で Hyper-V を使う設計
ポイント: Cowork は分離した Linux VM を起動し、その上でエージェント実行エンジンを動かして、フォルダスコープ内のファイルを安全に読み書きします。公式ドキュメントによると、Windows 版 Cowork が要件として挙げているのは Virtual Machine Platform(Hyper-V をベースとする Windows の仮想化基盤)です(Claude Help Center「Deploy Claude Desktop for Windows」, 2026-05-03 確認)。
Hyper-V ホームラボを運用している環境では、すでに Hyper-V スタックが有効化されています。Cowork はその Hyper-V を使って内部 VM を追加起動します。
Hyper-V マネージャーで管理している既存の Linux VM と Cowork 内部 VM は、同じ Hyper-V ハイパーバイザーの上に共存する形になります。ホームラボ運用者には「Cowork を動かすための追加インフラを用意しなくてよい」という意味でメリットがあります。
Cowork 内部 VM は RAM を約 1.8 GB 消費します。ホームラボ VM と同じ物理ホストで動かすため、既存の VM に十分なメモリを割り当てたうえで、さらに 2 GB 程度の余裕を確保しておくことをお勧めします。
Windows 11 Home での動作には注意が必要
注意: 公式ドキュメントは Cowork の要件として「Virtual Machine Platform」を挙げており、Windows エディションの制限は明記していません。しかし実際には、Windows 11 Home で Cowork が起動しないという報告が多数あります(virtiofs マウント失敗などのエラー)。Home には完全な Hyper-V スタック(vmms を含む)が無いことが原因と見られますが、Anthropic は 2026-05-03 時点でこれを公式に明記していません。確実に使うなら Windows 11 Pro / Enterprise / Education を推奨し、Home で使う場合は最新の公式動作要件を必ず確認してください。
Windows 11 Home にも Virtual Machine Platform と Windows Hypervisor Platform は含まれるため、公式に明記された要件の上では Home も条件を満たします。Home での起動失敗が、Pro / Enterprise / Education 専用の完全な Hyper-V ロール(vmms を含む)の有無に起因するのかは、公式には確認されていません。
本シリーズが主に想定する読者は、Hyper-V ホームラボのために Windows 11 Pro 以上を使っているため、このエディション問題は実用上の支障になりません。注意が必要なのは、サブ機が Home でそこに Cowork を入れたい場合です。
「Virtualization is not available」のような起動エラーが出た場合は、まず「設定 → システム → バージョン情報」で Windows エディションを確認します。Home エディションを Pro へアップグレードするには、Microsoft Store からプロダクトキーを購入する方法が手軽です。
セットアップ前チェックリスト
以下の 5 項目を確認してから作業に入ります。
| 確認項目 | 要件 | 確認方法 |
|---|---|---|
| Windows エディション | Windows 11 Pro / Enterprise / Education を推奨(Home は起動失敗の報告あり) | 設定 → システム → バージョン情報 |
| Hyper-V 機能 | 有効化済み(vmms が起動していること) | PowerShell: Get-Service vmms |
| BIOS/UEFI 仮想化 | Intel VT-x または AMD-V が有効 | タスクマネージャー → パフォーマンス → CPU → 「仮想化: 有効」 |
| Claude Desktop | 最新版インストール済み | claude.com/download から取得 |
| Claude プラン | Claude Pro(月額 $20)以上 | claude.ai → Settings → Billing |
最初のアクション: プライバシートグルの確認
セットアップ作業に入る前に、必ずプライバシー設定を確認します。Claude Desktop の「Settings → Privacy」に「Improve Claude for everyone」トグルが存在します。
このトグルがオンの状態でホームラボの構成情報を Cowork に渡すと、会話データがモデル学習に利用される可能性があります(Anthropic Privacy Center に保持期間 30 日と明記)。
トグルの切り替えは即時反映されます。自分の意向に合わせてオン / オフを設定してから、フォルダスコープのセットアップへ進みます。
これを後回しにして作業を進めると、memory.md に書いたホームラボの VM 一覧やネットワーク設計がモデル学習に使われた状態になってしまうため、順番として最初に確認します。
個人インフラエンジニア向けフォルダ構造を先に切る
Cowork のプロジェクトを作成する前に、ローカルのフォルダ構造を先に作っておきます。フォルダスコープは「Claude に対する個人の境界線」を物理的に引く仕組みであり、何を見せて何を見せないかを決めるフォルダ構造が設計の起点になります。
推奨フォルダ配置: C:\Users\<ユーザー名>\HomeLab\
Windows 環境での Cowork は、C:\Users\<ユーザー名>\ 配下のフォルダを使うと安定動作の面で無難です。セカンダリドライブ(D:\ 等)やホームディレクトリ外のフォルダで挙動が安定しない事例が報告されており(2026 年 5 月 3 日時点)、公式ドキュメントはこの制約を明示していないものの、実用上はホームディレクトリ配下を主軸に置く構成が安全です。
一方、Hyper-V の仮想ディスク(VHDX)については、別ドライブに置いて構いません。Cowork は VHDX を直接読まないため、ホームラボの VM データが D:\Hyper-V\ 配下にあっても問題はありません。
Cowork のフォルダスコープに収めるのは、IaC コード・検証ログ・学習メモといったテキストファイル群だけに絞ります。
推奨するフォルダ構造を以下に示します。
C:\Users\<ユーザー名>\
└── HomeLab\ # Cowork のフォルダスコープに割り当てる親フォルダ
├── _memory\ # プロジェクトメモリの置き場
│ └── memory.md # ホームラボ全体の構成・命名規約
├── iac\ # IaC コード(Git リポジトリ化推奨)
│ ├── opentofu\ # OpenTofu HCL(プロビジョニング)
│ │ ├── gcp\
│ │ ├── vsphere\
│ │ └── kubernetes\
│ └── ansible\ # Ansible playbook(OS 構成管理)
│ ├── inventory\
│ ├── playbooks\
│ └── roles\
├── logs\ # 検証ログ(コマンド出力・エラー・気づき)
│ ├── vcf9\
│ ├── gcp\
│ ├── payara\
│ └── kubernetes\
└── docs\ # 学習メモ・設計メモ・参考リンク集
├── vcf9\
├── gcp\
├── payara\
└── kubernetes\
D:\Hyper-V\ # 仮想マシン用ディレクトリ(Cowork からは見えない)
├── payara-app-01\ # VM ごとに独立フォルダ
│ └── payara-app-01.vhdx
├── k8s-master-01\
│ └── k8s-master-01.vhdx
└── k8s-worker-01\
└── k8s-worker-01.vhdx
VM の命名規約は <technology>-<role>-<NN> 形式(例: k8s-worker-01、payara-app-01)を推奨します。この規約は後述の memory.md に記載しておくと、Cowork が前提として扱えます。
OneDrive 同期との衝突を避ける
注意: Windows 11 ではデフォルト設定で Documents・Desktop・Pictures が OneDrive 配下にリダイレクトされていることが多いです。OneDrive は Cloud Files API を使ってファイルをオンデマンドで取得するプレースホルダーファイルを配置しますが、この仕組みが Cowork の VM ホスト共有・Write tool と衝突します。ファイルの切り捨て、EEXIST エラー、EXDEV エラー、設定ファイルの破損といった問題が報告されています(2026 年 5 月 3 日時点)。
回避策は 2 つあります。(推奨) OneDrive の同期設定で HomeLab\ フォルダを同期対象から除外します。
(代替) C:\Users\<ユーザー名>\ 直下に OneDrive が管理していないフォルダを作成し、そこに Cowork のワークディレクトリを置く。いずれの場合でも、Documents\ や Desktop\ を Cowork のフォルダスコープに直接指定することは避ける。
OneDrive の除外設定は「OneDrive の設定 → アカウント → フォルダーの選択」から特定フォルダのチェックを外すことで行えます。あるいはファイルエクスプローラーでフォルダを右クリックして「OneDrive から除外」を選ぶ方法もあります(OneDrive のバージョンによって表示が異なります)。
IaC ディレクトリの Git リポジトリ化
HomeLab\iac\ 配下を Git リポジトリとして初期化することをお勧めします。.git ディレクトリが Cowork のフォルダスコープ内にあっても動作上の問題はありません(Cowork は通常 .git を読みに行きません)。
個人 GitHub へのプッシュやコネクタ連携については #04 と #06 で扱うため、本記事では初期化のみを行います。
Cowork プロジェクトを 1 つだけ作る — Use an existing folder
フォルダ構造を作成したら、Claude Desktop で Cowork のプロジェクトを作成します。本記事では最小構成として 1 プロジェクトのみ作成します。
技術別のプロジェクト分離(VCF9 / GCP / Payara / Kubernetes ごとにプロジェクトを分ける構成)は第 3 回の主題として扱います。
プロジェクト作成の手順
- Claude Desktop を起動し、上部タブで「Cowork」を選択します(Chat タブとは独立したタブとして表示されます)。
- 左ナビゲーションの「Projects」セクション右端にある「+」ボタンをクリックします。
- プロジェクト作成の 3 択が表示されます。「Use an existing folder」 を選択します。
- フォルダ選択ダイアログで
C:\Users\<ユーザー名>\HomeLab\を指定します。 - プロジェクト名を 「HomeLab」(または
homelab-infraなど識別しやすい名前)に設定します。 - プロジェクト設定画面で「Instructions」フィールドに後述のインストラクション例を貼り付けます。
- 「Create」をクリックしてプロジェクトを作成します。
公式ヘルプセンターによると、プロジェクト作成には「Start from scratch」「Import from project」「Use an existing folder」の 3 種類があります。ホームラボ運用者が使うのは 3 番の「Use an existing folder」が主軸になります。
先にフォルダツリーを作っておき、そのフォルダをプロジェクトに割り当てる流れが、後からフォルダを追加するよりも管理しやすいです。
プロジェクト インストラクションの例
インストラクション(Instructions)は、そのプロジェクトでの口調・出力フォーマット・守るべきルールを定義するフィールドで、毎回の会話に常時適用されます。以下はホームラボ運用者向けの例です。
私は個人インフラエンジニア。Hyper-V ホームラボで以下の 4 技術を業務外で学習している。
- VMware VCF9(ドキュメント学習中心)
- Google Cloud(無料枠 + $300 クレジットでハンズオン)
- Payara(Hyper-V 上の Linux VM でハンズオン)
- Kubernetes(Hyper-V 上の Linux VM で k3s / kubeadm)
IaC ツール: OpenTofu(tofu コマンド)でプロビジョニング、Ansible で Linux VM の OS 構成管理。
ワークディレクトリ: C:\Users\<ユーザー名>\HomeLab\
Hyper-V VM ディレクトリ: D:\Hyper-V\\ (Cowork からは見えない)
出力は日本語。コードにはコメントを付ける。
ファイル削除・VM の起動・停止などの破壊的操作は実行前に必ず確認を求める。
インストラクションは後から編集可能です。プロジェクトを選択した状態でギアアイコン(Settings)から変更できます。
フォルダスコープの確認
「Use an existing folder」でプロジェクトを作成すると、指定したフォルダが自動的にフォルダスコープ(Folder Scope)として登録されます。フォルダスコープに登録されたフォルダ以外へのアクセスは Cowork がブロックします。
個人の写真フォルダ・Documents 全体・Desktop といった場所は見えない状態になっており、これが「Claude に対する個人の境界線」として機能します。
フォルダスコープの重要な動作仕様として、ファイルの削除前には必ずユーザーの明示的な許可(「Allow」のクリック)を求める設計になっています。「HomeLab フォルダの中身をすべて削除して」のような指示を出しても、Cowork は実行前に確認ステップを挟みます。
この設計は Cowork のエージェント実行全体で一貫しています。
プロジェクトの切り替えは左ナビの Projects セクションから目的のプロジェクト名をクリックするだけです。第 3 回で技術別プロジェクトを追加した後も、この左ナビから瞬時に切り替えられます。
memory.md 初期テンプレートを配置する
プロジェクトを作成したら、memory.md の初期テンプレートを配置します。memory.md はホームラボの構成・命名規約・学習方針を Cowork が毎回の会話で参照する「プロジェクトの前提ファイル」として機能します。
メモリ(Memory)の動作仕様
まず memory.md の位置づけを明確にしておきます。
- プロジェクトメモリはローカル保存・クラウド同期なし。 memory.md はフォルダスコープ内のローカルファイルとして保存され、クラウドには同期されません。
- メモリはプロジェクト単位でスコープされます。 別プロジェクトへの持ち越しはない仕様です。
- Cowork は memory.md に勝手に書き込みません。 セッションの末尾に「memory.md に追記すべき項目」を 1〜3 件提案し、ユーザーが承認してから書き込む設計になっています。自動で勝手に追記はされません。
- memory.md の読み込みはプロジェクト起動時。 ファイルが長くなりすぎると Claude が一部の内容を取りこぼす傾向があるため、50 行程度を上限の目安として簡潔に保つことが実運用上のポイントになります。
- グローバルメモリとの違い。 Settings → Capabilities にはプロジェクトをまたいで参照されるグローバルメモリプロファイルも存在します。本記事で扱うのはプロジェクト内の memory.md であり、グローバルメモリとは別物です。
初期テンプレートの配置
以下のテンプレートを C:\Users\<ユーザー名>\HomeLab\_memory\memory.md として保存します。自分の環境に合わせて編集してから配置します。
# HomeLab Project Memory
## 目的
Hyper-V ホームラボで 4 技術(VMware VCF9 / Google Cloud / Payara / Kubernetes)を業務外で学習する。
学習成果を技術ブログに変換することがゴール。
## 学習モダリティ
- VCF9: ドキュメント学習中心(ホームラボでフルハンズオン困難)
- GCP: クラウド無料枠 + $300 クレジットでハンズオン
- Payara: Hyper-V 上の Linux VM でハンズオン
- Kubernetes: Hyper-V 上の Linux VM で k3s / kubeadm / Minikube / Kind
## ホスト環境
- Windows 11 Pro(Hyper-V 有効化済み)
- Hyper-V 仮想マシンは D:\Hyper-V\\ 配下(VM ごとに独立フォルダ、VHDX も同フォルダ内)
- Cowork ワークディレクトリは C:\Users\<ユーザー名>\HomeLab\ 配下
## IaC ツール選定
- OpenTofu(tofu コマンド)でプロビジョニング。Terraform は BSL のため不採用
- Ansible で Linux VM の OS 構成管理(パッケージ・サービス・ユーザ・SSHd・FW・ミドルウェア)
- Windows VM の構成管理は対象外(Linux VM に集中)
## ディレクトリ規約
- iac/opentofu//: OpenTofu HCL
- iac/ansible/{inventory,playbooks,roles}/: Ansible 一式
- logs//: 検証ログ(YYYY-MM-DD-.md 命名)
- docs//: 学習メモ・設計メモ
## 命名規約
- VM 名: --(例: k8s-worker-01、payara-app-01)
- ファイル: 日付プレフィックス YYYY-MM-DD- を頭に付ける
## やってはいけないこと
- 業務データの投入禁止
- HomeLab フォルダ外の自動書き込み禁止
- ファイル削除前に必ず確認を求める
- 認証情報(API キー・パスワード)を memory.md やコードに直書きしない
テンプレートのセクション構成は「目的 / 学習モダリティ / ホスト環境 / IaC ツール選定 / ディレクトリ規約 / 命名規約 / やってはいけないこと」の 7 項目で構成しています。公式が固定フォーマットを定めているわけではないため、自分のホームラボ構成に合わせて自由に変更して構いません。
memory.md とインストラクションの使い分け
インストラクション(Instructions)と memory.md は補完関係にあります。インストラクションは「Cowork が常に守るルール(口調・出力フォーマット・破壊的操作の事前確認)」を定義する場所であり、memory.md は「Cowork が学習する事実・前提(VM 一覧・命名規約・進行中の課題)」を蓄積する場所です。
インストラクションは手動編集が主、memory.md はセッション末に Cowork が追記提案を行いユーザーが承認して更新するという運用の違いがあります。
memory.md の内容が 50 行を超えてきたら、詳細な情報をサブファイル(例: _memory/homelab-vms.md、_memory/iac-conventions.md)に分割し、memory.md 本体は概要と参照先のみを記述するスリム化を検討します。
30 分セットアップで詰まる典型ポイント 4 選
環境要件を満たしていれば 30 分で初期構成が整います。ただし以下の 4 つのポイントは見落としやすく、詰まる原因になりやすいです。
事前に把握しておくと作業の手戻りを減らせます。
ポイント 1: Windows Home エディションで Cowork が起動しないことがある
症状: Cowork タブを開くと「Virtualization is not available」などのエラーが表示され、エージェント実行が開始できません。
回避策: 「設定 → システム → バージョン情報」でエディションを、「タスクマネージャー → パフォーマンス → CPU → 仮想化: 有効」で BIOS/UEFI の仮想化を確認し、原因を切り分けます。BIOS/UEFI で仮想化が無効なだけであれば、有効化すれば解決します。
Windows 11 Home では、仮想化を有効にしても Cowork が起動しないという報告が多くあります。確実に使うには、Pro / Enterprise / Education へのアップグレードを検討してください。
ポイント 2: OneDrive 配下のフォルダをスコープに渡してしまう
症状: ファイルが正しく読み書きできない、EEXIST エラーが出る、Cowork の設定ファイルが破損します。
回避策: ホームラボ用のワークディレクトリは OneDrive 同期から除外した場所に置きます。Documents フォルダや Desktop が OneDrive 配下にある状態でそれをスコープとして指定しません。
前述のとおり C:\Users\<ユーザー名>\HomeLab\ を OneDrive の同期対象外とした上でスコープに割り当てます。
ポイント 3: Documents が別ドライブにリダイレクトされている
症状: スケジュールタスクを設定すると EXDEV エラーが発生します。ファイル操作が途中で失敗します。
回避策: Documents のリダイレクト先が別ドライブ(D:\ 等)になっている場合、クロスドライブの hard link が発生して Cowork のスケジュールタスクと衝突します。Cowork 用のワークディレクトリを Documents 配下ではなく、リダイレクトの影響を受けない C:\Users\<ユーザー名>\HomeLab\ 直下に置くことで回避できます。
ポイント 4: プライバシートグルを確認しないまま作業を進める
症状: ホームラボの VM 一覧・ネットワーク構成・API キーの扱いに関する会話がモデル学習に利用される状態が続く。
回避策: 前述のとおり、セットアップの最初のアクションとして「Settings → Privacy → Improve Claude for everyone」トグルを確認します。2025 年 9 月 28 日以降の仕様変更でデフォルトがオン側に変更されているため、確認を省略するとホームラボの構成情報が意図せず学習データに含まれる可能性があります。
個人の判断でオン / オフを選択したうえで、フォルダスコープの設定に進みます。
まとめと次回予告
本記事では Hyper-V ホームラボへの Cowork 初期組み込みとして、次の 5 ステップを整理しました。
- Windows エディション(Pro 以上を推奨)と Hyper-V 有効化の確認
- プライバシートグルの確認(最初のアクション)
C:\Users\<ユーザー名>\HomeLab\を起点とした OneDrive 除外済みフォルダ構造の作成- 「Use an existing folder」でプロジェクトを 1 つ作成し、フォルダスコープを割り当て
_memory\memory.mdへの初期テンプレート配置
Cowork が内部で Hyper-V を使う設計であること、フォルダスコープが「Claude に対する個人の境界線」として機能すること、memory.md は Cowork が追記提案しユーザーが承認して更新するフローであること — この 3 点が本記事の核心です。
本記事の構成は意図的に 1 プロジェクト・最小構成に絞りました。ホームラボが安定してきたら、VCF9 / GCP / Payara / Kubernetes ごとにプロジェクトを分離することで、各技術の学習コンテキストをより精密に管理できます。
この技術別プロジェクト分離と学習モダリティ別の記録術については次の第 3 回で扱います。
第 3 回: Cowork で 4 技術並行学習を回す — モダリティ別の記録術
Cowork 個人活用シリーズ(全 7 回)
- 第 1 回: Cowork 機能マップ 2026年5月版
- 第 2 回: Hyper-V ホームラボに Cowork を組み込む いまここ
- 第 3 回: Cowork で 4 技術並行学習を回す
- 第 4 回: OpenTofu と Ansible のコードを Cowork に育てさせる
- 第 5 回: 通勤・出張・昼休みを学習時間に変える Cowork モバイル & Dispatch 活用
- 第 6 回: ホームラボの検証ログを技術ブログ記事に変換する
- 第 7 回: NotebookLM × Cowork × Claude Code × Antigravity 使い分けマップ + 業務外で武器を磨く 5 原則
