【DB】第2章:基礎固め ~最初の6ヶ月で押さえるべきデータベースの基本~

【DB】第2章:基礎固め ~最初の6ヶ月で押さえるべき基本知識~

データベースエンジニアとしてのキャリアをスタートする最初の6ヶ月は、基礎固め の期間です。このフェーズでは、SQLの基本操作を習得するだけでなく、バックアップやリカバリ、監視といった日常業務を通じて、データベースの運用フローを理解することが求められます。

本章では、新卒エンジニアが最初に押さえるべき知識と実務スキルを体系的に解説し、現場で即戦力として活躍するための準備を進める方法を具体的に紹介します。


2-1. 最初の6ヶ月で目指すべきこと

新卒のデータベースエンジニアにとって、最初の6ヶ月は基礎固めの期間です。
この時期に 「とりあえずSQLを書ける」 だけで終わってしまうと、業務に入ったときに必ず壁にぶつかります。

まず、6ヶ月間で達成すべき目標を明確にしましょう。

データベースの運用フローを理解し、基本的な業務に慣れる(バックアップ・リカバリ・監視・アクセス管理)
SQLの基礎をしっかり固める(データ取得・更新・削除・テーブル設計を理解)
データベースの基本概念(正規化・インデックス・ACID特性)を学び、設計や運用に活かせるようにする

👉 「データベースをどう管理し、どう活用するのか?」を考えながら学ぶことが重要!


2-2. データベースの運用フローを理解する

データベースエンジニアの仕事は、SQLを書くだけでは終わりません。
日々の運用業務の流れを理解し、基本的な作業を習得することが重要です。

📌 ① バックアップとリカバリ

データベースの最も重要な業務の一つがデータの保護です。
バックアップを取っていなければ、万が一の障害時にデータを失い、企業の存続にも関わる問題になります。

【やるべきこと】

  • フルバックアップ・増分バックアップ・差分バックアップの違いを理解する
  • 実際のバックアップデータを確認し、スケジュールを把握する
  • リカバリ手順を学び、緊急時に対応できるようにする

📌 今日からできるアクション

# MySQLでバックアップを取得する
mysqldump -u root -p my_database > /backup/my_database_$(date +%F).sql

👉 「バックアップは取得するだけでなく、実際にリストアできるかテストする」ことが重要!


📌 ② データベースの監視

データベースは24時間365日稼働しているため、システムが安定しているかを監視する必要があります。
障害の兆候を事前に察知し、問題が発生する前に対応することがエンジニアの役割です。

【やるべきこと】

  • 監視ツール(Zabbix, CloudWatch, New Relic)の基本操作を学ぶ
  • データベースのリソース使用状況(CPU・メモリ・ディスク)を確認する
  • アラート発生時の対応フローを学ぶ(CPU負荷が高い、クエリ遅延など)

📌 今日からできるアクション

SHOW GLOBAL STATUS LIKE 'Threads_running';

👉 「どのような数値なら異常なのか?」を意識しながら監視する習慣をつけよう!


2-3. SQLの基礎をマスターする

SQLは、データベースエンジニアの「基礎体力」です。
この時期に 「なんとなく書ける」ではなく、「適切なクエリを書ける」 レベルを目指しましょう。

📌 ① SQLを学ぶステップ

  1. 基本操作(SELECT・INSERT・UPDATE・DELETE)を確実に理解する
  2. JOINやGROUP BYを使ったデータ集計を学ぶ
  3. EXPLAINを使って、クエリの実行計画を理解する

📌 今日からできるアクション

-- 顧客データを取得する
SELECT name, age FROM users WHERE age > 30;
-- JOINを使ったデータの取得
SELECT orders.id, customers.name, orders.total_amount
FROM orders
JOIN customers ON orders.customer_id = customers.id;

👉 「このSQLで、どのようにデータを取得できるのか?」を考えながら実践しよう!


2-4. データベースの基本概念を押さえる

SQLが書けるようになったら、次はデータベースの設計や運用の基礎を学びましょう。
ここで、正規化・インデックス・ACID特性 について理解しておくことが重要です。

📌 ① 正規化とは?

💡 なぜ重要?
データの重複をなくし、整然としたデータ構造を作ることで、無駄なデータの保存を防ぎ、保守しやすくする

📌 今日からできるアクション

-- 顧客データと注文データを分離する(正規化)
CREATE TABLE customers (
    id INT PRIMARY KEY,
    name VARCHAR(100),
    email VARCHAR(100) UNIQUE
);

CREATE TABLE orders (
    id INT PRIMARY KEY,
    customer_id INT,
    total_amount DECIMAL(10,2),
    FOREIGN KEY (customer_id) REFERENCES customers(id)
);

👉 「正規化によって、データがどのように整理されるのか?」を考えてみよう!


📌 ② インデックスとは?

💡 なぜ重要?
適切なインデックスを使うことで、検索スピードを大幅に向上させることができる

📌 今日からできるアクション

-- emailカラムにインデックスを作成
CREATE INDEX idx_email ON users (email);

👉 「インデックスを適用した場合としない場合の速度の違い」を確認してみよう!


2-5. まとめ

最初の6ヶ月は「SQLの基礎」と「運用フローの理解」に集中する!
業務の流れを理解し、データベースの基本概念を押さえることで、成長の土台を作る!
「今日からできるアクション」を実践して、確実にスキルアップしていこう!


🔰 次のステップ:「第3章:実務への参加 ~6ヶ月~18ヶ月で現場経験を積む~」

👉 「運用の実務」や「トラブルシューティング」を学び、実践力を高める方法を解説!