【NW】第2章:基礎固め ~最初の6ヶ月で押さえるべきネットワークの基本~

【NW】第2章:基礎固め ~最初の6ヶ月で押さえるべき基本技術~

ネットワークエンジニアとして成長するためには、まず基礎技術をしっかりと身につけることが重要です。
この章では、最初の6ヶ月で習得すべき基礎知識を具体的に解説し、実務での活用方法や学習の進め方を提示します。


2-1. ネットワークの基本概念を理解する 🌍

✅ OSI参照モデルと実務での活用

ネットワークの基礎を学ぶ際に、OSI参照モデルを理解することは不可欠です。
しかし、単に「7つの層がある」と暗記するだけではなく、実際の業務でどのように役立つのか?を意識しながら学ぶことが重要です。

📌 OSI参照モデルの各層と実務での役割

役割(実務での利用例)トラブル対応の視点
1. 物理層ケーブル、Wi-Fi、光ファイバーケーブル抜け・断線、ポートの故障
2. データリンク層MACアドレス、スイッチ、VLANVLAN設定ミス、BPDUガード
3. ネットワーク層IPアドレス、ルーティングルーティングテーブルの確認、OSPF/BGPの動作チェック
4. トランスポート層TCP/UDP、ポート番号ファイアウォールで特定ポートがブロックされていないか
5. セッション層SSL、認証管理VPN接続エラー、セッションタイムアウト
6. プレゼンテーション層データの暗号化、圧縮文字化けやTLS設定の確認
7. アプリケーション層HTTP、DNS、メールDNS解決ミス、サーバー障害

例えば、社内の特定のPCがインターネットに接続できない場合、「どの層で問題が発生しているのか?」を切り分けるスキルが必要です。
・物理層 → LANケーブルの抜けやスイッチの故障はないか?
・データリンク層 → VLAN設定ミスがないか?
・ネットワーク層 → ルーティングの問題はないか?


🎯 今日からできるアクション

PingやTracerouteを使い、通信がどこで止まっているかを確認する
社内ネットワークのVLANやルーティング情報を調査し、OSI参照モデルのどの層で制御されているかを考える
GNS3やPacket Tracerを使い、各層でのトラブルをシミュレーションする


2-2. IPアドレスとサブネットの基礎を学ぶ 🔢

✅ サブネットとCIDRを理解する

IPアドレスの知識は、ネットワークエンジニアの基本中の基本です。
特に、CIDR(Classless Inter-Domain Routing)表記とサブネットの計算方法は、業務で頻繁に使用します。

📌 例:192.168.1.0/24 の意味

  • 192.168.1.0 → ネットワークアドレス
  • /24 → サブネットマスク 255.255.255.0(ホストアドレスは 256-2 = 254 個)
  • 192.168.1.1~192.168.1.254 → 使えるIPアドレス範囲
  • 192.168.1.255 → ブロードキャストアドレス

例えば、「/26のネットワークでは何台のホストが使えるか?」という質問に、即答できることが求められます。
答え:64-2 = 62台(ブロードキャストとネットワークアドレスを除く)


🎯 今日からできるアクション

PCの「ipconfig」または「ifconfig」コマンドを実行し、自分のIPアドレスを確認する
サブネット計算ツールを使い、さまざまなネットワークのIP範囲を計算する練習をする
GNS3で異なるサブネットを持つPC同士の通信を試し、ルーティング設定を学ぶ


2-3. VLANとL2スイッチの基礎を理解する 🔀

✅ VLANの概念を理解する

VLAN(仮想LAN)は、スイッチ1台で異なるネットワークを作る技術です。
例えば、営業部と開発部を分け、それぞれの通信を独立させることができます。

📌 VLANの設定例

スイッチでVLANを作成

Switch(config)# vlan 10
Switch(config-vlan)# name Sales
Switch(config)# vlan 20
Switch(config-vlan)# name Development

ポートをVLANに割り当て

Switch(config)# interface fa0/10
Switch(config-if)# switchport mode access
Switch(config-if)# switchport access vlan 10

🎯 今日からできるアクション

「show vlan brief」コマンドを実行し、VLANの設定を確認する
GNS3でVLANを設定し、異なるVLAN間で通信ができないことを確認する
社内ネットワークのVLAN構成を確認し、どの部門がどのVLANに所属しているかを把握する


2-4. ルーターとL3スイッチの基本を押さえる 🚦

✅ ルーティングの基本

ルーターやL3スイッチを使うことで、異なるネットワーク(VLAN間)を接続できます。
例えば、VLAN 10とVLAN 20の間で通信するためには、VLAN間ルーティングが必要です。

📌 VLAN間ルーティングの設定例

Switch(config)# interface vlan 10
Switch(config-if)# ip address 192.168.10.1 255.255.255.0
Switch(config)# interface vlan 20
Switch(config-if)# ip address 192.168.20.1 255.255.255.0
Switch(config)# ip routing

🎯 今日からできるアクション

GNS3でL3スイッチを使い、VLAN 10とVLAN 20間の通信を実験する
「show ip route」コマンドを実行し、現在のルーティングテーブルを確認する
ルーティングプロトコル(OSPF, BGP)の基本を学び、設定を試す


この章をしっかり学ぶことで、ネットワークエンジニアとしての基礎を確実に固めることができます! 🚀