【NW】第3章:実務への参加 ~6ヶ月~18ヶ月で実践経験を積む~
基礎を学び、ネットワークの基本概念を理解したら、次のステップは実務での経験を積むことです。
実際の現場では、トラブル対応、ネットワークの設定変更、小規模な構築作業などを通じて、理論を実践へと結びつけることが求められます。
この章では、日常業務でのネットワーク運用のポイント、障害対応の流れ、ネットワークループの防止策など、実務に直結するスキルを身につける方法を具体的に解説します。
3-1. 実務の第一歩:日常運用業務を理解する 🏢📋
✅ ネットワーク運用の基本
ネットワークエンジニアの日常業務の中心は、ネットワークが正常に動作するように監視・管理し、トラブルが発生した場合に迅速に対応することです。
📌 ネットワーク運用の主な業務
業務 | 具体的な内容 | 現場での対応方法 |
---|---|---|
ネットワーク監視 | トラフィック負荷、CPU使用率、障害アラートの確認 | Zabbix、Nagios、PRTGなどの監視ツールを活用 |
障害対応 | 通信遅延、スイッチ・ルータの障害、回線トラブルの解決 | Ping、Traceroute、Syslogで障害を特定 |
定期メンテナンス | ファームウェア更新、ルーティング調整 | 影響範囲を考慮し、事前にメンテナンス計画を作成 |
設定変更 | VLAN追加、ACL変更、ルーティング調整 | 変更管理手続きを経て、作業実施 |
🎯 今日からできるアクション
✅ 社内の監視ツールにログインし、どの項目が監視されているのかを確認する
✅ 「show log」コマンドを実行し、スイッチやルータのログを確認する
✅ 過去3ヶ月間の障害履歴を調べ、「どのような問題が発生したか?」を分析する
3-2. 小規模ネットワーク構築や更改への参加 🛠️🔀
✅ VLAN設定とルーティングプロトコルの実務
基礎を学んだら、実際にネットワークの設定変更や構築作業に関わる経験を積むことが重要です。
まずは、小規模なネットワーク変更に参加し、VLANやルーティングの設定を実際に行ってみましょう。
📌 VLANの設定変更例
スイッチでVLANを作成
Switch(config)# vlan 30
Switch(config-vlan)# name HR
ポートをVLANに割り当て
Switch(config)# interface fa0/10
Switch(config-if)# switchport mode access
Switch(config-if)# switchport access vlan 30
📌 OSPFルーティング設定例
Router(config)# router ospf 1
Router(config-router)# network 192.168.1.0 0.0.0.255 area 0
Router(config-router)# exit
🎯 今日からできるアクション
✅ 「show vlan brief」コマンドを実行し、VLANの設定を確認する
✅ GNS3やPacket Tracerで、異なるVLAN間の通信テストを実施する
✅ OSPFの基本設定を試し、ルーティングの仕組みを理解する
3-3. ループ障害の実践的なトラブルシューティング 🔄🚨
✅ STP(Spanning Tree Protocol)の重要性
ネットワークがループすると、ブロードキャストストームが発生し、ネットワーク全体が停止することもあります。
これを防ぐためにSTP(Spanning Tree Protocol)を適切に設定することが重要です。
📌 STPの基本設定
Switch(config)# spanning-tree mode rapid-pvst
Switch(config)# interface fa0/1
Switch(config-if)# spanning-tree portfast
Switch(config-if)# spanning-tree bpduguard enable
🎯 今日からできるアクション
✅ 「show spanning-tree」コマンドを実行し、ルートブリッジを確認する
✅ BPDUガードが適用されているかを調査し、必要なら設定する
✅ GNS3でループ構成を作成し、STPがどのように動作するかを確認する
3-4. 障害対応の実践:トラブルシュートの流れを学ぶ 🚑🔎
✅ ネットワーク障害発生時の対応手順
- 現象の確認:「どのユーザーが、どのタイミングで、どんな問題に遭遇しているのか?」
- 影響範囲の特定:特定のVLANだけか? 全社的な問題か?
- 物理層の確認:ケーブル抜け、機器の故障はないか?
- 設定ミスのチェック:最近変更された設定が影響していないか?
- ログ解析:syslogやSNMPのアラートを確認する
📌 例:特定の拠点だけVPNが繋がらない
- 「show crypto session」コマンドでVPNのステータスを確認
- 「debug ip ospf events」で経路情報を確認
- 「show ip route」で正しいルートがあるか確認
🎯 今日からできるアクション
✅ Ping・Tracerouteを試し、ネットワーク経路の確認トレーニングをする
✅ 社内の障害対応ログを分析し、よくあるトラブルを把握する
✅ 「もし自分が障害対応を任されたら?」と考えながら、対応シナリオを作成する
まとめ:今日からできるアクションリスト
✅ 社内の監視ツールで、ネットワークのトラフィック状況をチェックする
✅ GNS3でVLANの設定を試し、異なるVLAN間の通信をテストする
✅ STPの動作を確認し、ループ障害をシミュレーションする
✅ 障害対応の手順をノートにまとめ、実際の現場で活用する
この章を深く学び、実際の業務で実践することで、実務に即したスキルが確実に身につきます! 🚀