【SV】第3章:実務への参加 ~6ヶ月~18ヶ月で実践経験を積む~
サーバーエンジニアとしての基礎を固めたら、次のステップは実務を通じた経験の積み重ね です。日々の運用業務に関わりながら、トラブル対応の実践、小規模プロジェクトへの参加、業務改善の視点 を養うことで、より高度なスキルが身についていきます。
特にオンプレミス環境では、ハードウェア障害やネットワークトラブルへの即応力 が求められるため、実際の対応経験が成長の鍵を握ります。本章では、実務を通じてスキルを伸ばす方法 を具体的に解説します。
3-1. 定常運用業務を担当する
📌 運用業務を「作業」で終わらせず、成長につなげる
サーバー運用の基本業務は 「監視・点検・メンテナンス」 ですが、
単なるルーチンワークになってしまうと、成長の機会を逃してしまいます。
「なぜこの作業が必要なのか?」 を考えながら取り組むことで、実践的な知識が身につきます。
✅ 定常運用の主要業務
- サーバー監視: CPU・メモリ・ディスク使用率の変化を把握する。
- ログ監視:
/var/log/syslog
や/var/log/auth.log
をチェックし、異常を検出する。 - バックアップ管理: データの完全性を定期的に確認し、リストアテストを行う。
- アラート対応: ZabbixやNagiosなどの監視ツールからの通知に適切に対応する。
📌 具体例:「ディスク使用率が90%を超えた」場合の対応
df -h
を実行し、どのパーティションが圧迫されているかを確認du -sh /*
を使って、大容量ファイル・ディレクトリを特定- 不要なログやキャッシュファイルを削除 (
rm -rf /var/log/*.gz
) logrotate
の設定を見直し、適切なログ管理を行う
💡 「異常を検知したら、すぐに対処するだけでなく、なぜ発生したのかを考え、再発防止策を考えることが重要!」
📌 今日からできるアクション
✅ ZabbixやNagiosの監視画面を見て、「どの指標が重要か?」を理解する
✅ df -h
コマンドを実行し、ディスクの使用状況をチェックする
✅ 運用手順書を読み、障害発生時の対応フローを把握する
3-2. 実際の障害対応を経験する
📌 「障害対応」はエンジニアの成長を加速させる
サーバー運用では、「障害をゼロにする」ことは不可能 です。
重要なのは、障害発生時に 「何が原因か?」を素早く特定し、適切に対応すること です。
✅ 典型的なサーバー障害
- CPU使用率が100%になり、サーバーの動作が重い
- ディスクがいっぱいになり、アプリケーションが異常終了する
- ネットワーク障害でサーバーにアクセスできない
📌 具体例:「CPU使用率が100%になった」場合の対応
top
またはhtop
を実行し、どのプロセスがCPUを占有しているか確認ps aux --sort=-%cpu | head -10
で、CPU使用率の高いプロセスを特定- 緊急対応:
kill -9 <PID>
で不要なプロセスを強制終了(慎重に!) - 恒久対策:
- 負荷の高いアプリケーションの設定を見直し
- システムリソースの監視設定を最適化
- スケールアウトやサーバー増強の計画を検討
💡 「原因の特定」と「再発防止」の両方ができるようになろう!
📌 今日からできるアクション
✅ top
を実行し、CPUやメモリを消費しているプロセスを確認する
✅ 過去の障害報告書を読んで、「どのような対応が行われたか?」を学ぶ
✅ 仮想環境で、意図的にCPU負荷をかけ (stress --cpu 4
) 、負荷状況を観察する
3-3. 小規模プロジェクトに参加する
📌 運用だけでなく「構築」も経験しよう
エンジニアとして成長するには、単なる運用業務だけでなく、「新しいものを作る経験」 が重要です。
✅ 小規模プロジェクトの例
- 新規サーバーのセットアップ
- ストレージの増設(RAID構成の変更)
- 負荷分散設定(ロードバランサーの導入)
📌 具体例:「新規サーバーのセットアップ」
- 物理サーバー or 仮想マシンを用意する
- OS(LinuxまたはWindows Server)をインストールする
- ネットワーク設定(IPアドレス、DNS)を構成する
- アプリケーションをインストールし、正常動作を確認する
💡 「手順通りにセットアップする」だけでなく、「なぜこの設定なのか?」を理解しよう!
📌 今日からできるアクション
✅ 仮想環境でLinuxをインストールし、基本設定を試してみる
✅ OSインストール時の手順書を読み、「どの設定が重要か?」を確認する
✅ 新しいプロジェクトに「できる範囲でいいので手伝わせてください」と申し出る
3-4. 自己学習の習慣をつける
📌 「学び続ける」ことがエンジニアの成長を決める
実務を経験すると、「知らないことが多すぎる!」 と感じるはずです。
そこで大事なのが、「学んだことを記録し、次に活かす習慣をつけること」 です。
✅ 学習のポイント
- エラー対応ノートを作る(「どのエラーが、どう解決されたか?」を記録)
- 技術ブログや書籍を活用し、最新技術をキャッチアップする
📌 具体例:「学んだことを記録し、次に活かす」
- トラブル対応の詳細をメモする(発生条件・対応手順・再発防止策)
- 業務で学んだことを簡単な記事にまとめ、社内Wikiやブログに投稿
- 毎月の振り返りを行い、「次に何を学ぶべきか?」を考える
💡 「学んだことを記録し、次に活かす」ことで、成長スピードが加速する!
📌 今日からできるアクション
✅ ノートやドキュメントに「今日学んだこと」を1つ書く
✅ Qiitaや技術ブログを1つ読んで、新しい知識を得る
✅ 社内のドキュメントを整理し、学習しやすい環境を作る
💡 「実践と振り返り」を繰り返すことで、確実にスキルが身につく!今日から始めよう!