第2回|うまく話せない人へ:会話が変わる!プロンプトの基本とコツ
2-1. なぜ伝わらない?プロンプトの基本を知ろう
2-1-1. ChatGPTの“聞き方”がすべてを変える
「思ったように答えてくれない」「ちゃんと伝えたつもりなのにズレた返事が…」そんな経験はありませんか?
実はChatGPTとのやりとりで一番大切なのは、「何をどう聞くか」。つまりプロンプト(指示文)の出し方です。
AIは人間のように“空気を読む”ことはできません。けれど、伝え方を少し工夫するだけで、返ってくる内容は大きく変わります。
- ❌「明日の天気は?」(地域が不明)
- ✅「東京の明日の天気を教えて」(具体的に)
- ✅「明日の東京の天気を3行以内で、気温も含めて教えて」(形式指定)
プロンプトとは、ChatGPTに「こうしてほしい」と伝える言葉。ちょっとした意識の違いで、“使いこなせてる感”がグッと増します。
2-1-2. よくある失敗例:曖昧・丸投げ・感覚的
プロンプトがうまく伝わらないときは、たいてい以下のようなパターンに当てはまります。
- 🎭【曖昧】:何を知りたいのかがぼんやりしている
- 🌀【丸投げ】:テーマだけ渡して説明不足
- 😅【感覚的】:「なんかいい感じに」など抽象的な表現
たとえば、「企画書をいい感じにまとめて」ではなく、
- ✅「企画書を3つの見出し構成で箇条書きにしてください」
- ✅「読み手が初心者なので、専門用語は使わず、やさしい言葉に言い換えてください」
このように伝えることで、ChatGPTが“どう答えるべきか”を明確に理解しやすくなります。
2-1-3. プロンプトって何?初心者向けのやさしい定義
プロンプト(prompt)とは、ChatGPTに伝える「指示文」「問いかけ」のこと。
私たちの言葉が、ChatGPTの“行動のきっかけ”になります。たとえば:
- 📄「文章を要約してください」
- 🗂「この内容を表にしてください」
- 📢「子どもにもわかるように説明して」
これらすべてがプロンプトです。
プロンプトが明確であればあるほど、ChatGPTはより的確な回答を返してくれます。
2-2. 伝え方で変わる!プロンプト改善のポイント
2-2-1. 「目的」と「期待する答え」を明確にしよう
ChatGPTに質問を投げるとき、「自分が何をしてほしいのか」「どんな答えを期待しているか」を自覚できていますか?
これはプロンプト作成の“第一歩”です。
たとえば「この文章どう思う?」と聞かれても、AIは困ってしまいます。なぜなら、「何を基準に評価すればいいのか」が伝わっていないからです。
- ✅「この文章を、読みやすさの観点から評価して」
- ✅「初心者に伝わるかどうか、アドバイスして」
- ✅「改善点があれば箇条書きで3つ教えて」
このように目的(評価・要約・提案など)と、答え方の形(箇条書き・文章など)を示すことで、期待通りの回答にグッと近づきます。
2-2-2. 条件・前提・形式を具体的に書くコツ
もう一歩深く伝えるには、「どんな状況か」「誰向けか」などの前提条件を加えるのがコツです。
AIは“背景”を理解していないので、読者・目的・長さ・トーンなどを指定することで回答の精度が大きく変わります。
- ✅「中学生向けに、インフレをやさしく解説して」
- ✅「読み上げに使いたいので、口語的な言い回しで」
- ✅「400文字以内で、やわらかい表現を意識して」
2-2-3. NG例→OK例で学ぶ!書き方ビフォーアフター
最後に、ありがちなNGプロンプトと、それを改善したOKプロンプトの例を見てみましょう。
NGプロンプト | OKプロンプト |
---|---|
「この文章なおして」 | 「この文章を、小学生にも伝わるように簡単にしてください」 |
「なんか説明して」 | 「中学理科レベルで『光合成』を2分以内で説明して」 |
「プレゼンの内容考えて」 | 「小学校の保護者向けに、ICT教育の利点を3つ紹介するプレゼンの骨子を考えて」 |
2-3. すぐ試せる!会話が変わるプロンプト例集
ここでは、今日からすぐに使えるプロンプト例をカテゴリ別に紹介します。
シンプルで真似しやすいものばかりなので、まずはコピペして試してみましょう!
2-3-1. 日常会話を助ける5つの定番テンプレ
ちょっとした相談や確認、雑談にもChatGPTは使えます。以下は生活の中で使いやすい定番プロンプトです。
- 🛒「3日分の夕飯メニューを考えて。冷蔵庫にあるのは◯◯です」
- ⏰「朝のルーティンを30分以内で組み立てて。身支度・朝食・家事を含めて」
- ☀️「週末に行ける都内の無料スポットを5つ教えて」
- 💬「疲れてるときに元気が出る言葉を3つかけて」
- ✍️「来週の予定をもとに、簡単なToDoリストを作って」
2-3-2. 説明・要約・提案のプロンプト比較
ChatGPTの得意技のひとつが「わかりやすく説明する」こと。ここでは3パターンの目的別プロンプトを紹介します。
- 📘【説明】:
「“メタ認知”という言葉を、小学生にもわかるように説明して」 - 📄【要約】:
「この文章を200文字以内で要約して。読み手は中学生です」 - 🧠【提案】:
「パワーポイントの冒頭5枚に入れるべき構成案を考えて」
ポイントは、「誰に・どう伝えるか」までをセットで伝えること。
2-3-3. やさしい言葉でお願いする練習セット
プロンプトに少しだけ“人らしさ”を加えると、ChatGPTとの会話もグッとスムーズになります。
やさしく、丁寧に頼むことで「伝えたいこと」が明確になり、自分自身の考えも整理されていきます。
- 🫶「初めて使います。わかりやすく教えてもらえますか?」
- 🙏「○○について調べてみたけど、よくわかりません。簡単に説明してくれませんか?」
- 📎「長い文章で申し訳ないのですが、内容を3行でまとめてください」
ChatGPTは感情を持ちませんが、「丁寧な言い方=丁寧な構成」につながることが多くあります。
2-4. 対話を育てるテクニックとヒント
ChatGPTとのやりとりは、「一発で完璧な答えを引き出すこと」が目的ではありません。
むしろ「少しずつ情報を渡しながら、一緒に育てていく対話」という意識が大切です。
2-4-1. 1回で決めようとしない!“やりとり”のすすめ
最初の問いかけだけで思い通りの答えが出なかったとき、あきらめていませんか?
ChatGPTは、会話を重ねるごとに理解が深まる仕組みを持っています。つまり、「追加で聞く」「例を出す」「修正をお願いする」といったやりとりが重要なのです。
- ✅「もう少し詳しく教えて」
- ✅「例を入れて説明してくれる?」
- ✅「3つに要点をまとめ直して」
2-4-2. 回答のズレを直す「追加指示」の出し方
「なんかちょっと違う…」そんなときは、具体的に“どこが違うのか”を伝えればOKです。
ChatGPTは、その直前の会話を覚えています。ですので、あらためて一から聞き直す必要はありません。
- ✅「もっとやさしい表現に言い換えて」
- ✅「ビジネス向けのトーンに直して」
- ✅「“効率化”の視点を追加して再提案して」
こうした“微調整のお願い”ができるようになると、ChatGPTが「自分専用のAI」に近づいていきます。
2-4-3. 会話の“流れ”を意識して深掘りしてみよう
ChatGPTとの対話を「単発のQ&A」で終わらせるのはもったいない!
会話の“流れ”を意識することで、知識が深まり、新しい気づきやアイデアにもつながります。
- ✅「この話題に関連する他の事例もある?」
- ✅「この情報を使って何ができそう?」
- ✅「今の内容をもとに、別の視点で考えてみて」
こうした“連続質問”は、ChatGPTを深掘り対話のパートナーとして活用する鍵です。
2-5. 今日からできる!上達ルーティンとまとめ
ここまで読んで「なるほど」と思っても、日々使わなければプロンプト力は定着しません。
でも大丈夫。1日数分からでも始められる、ChatGPTとの上達ルーティンをご紹介します。
2-5-1. 1日1プロンプトで自然に上達するコツ
「いきなりうまく書けない…」という方は、まず“1日1プロンプト”の習慣から始めましょう。
テーマはなんでもOK。仕事・勉強・雑談など、思いついたことをChatGPTに話しかけてみてください。
- ✅「今日は〇〇がうまくいかなかった。アドバイスある?」
- ✅「明日の予定に向けて、準備リストを一緒に考えて」
- ✅「このニュース、どういう意味か要約して」
2-5-2. 成功したプロンプトを“レシピ化”しよう
「これはうまくいった!」というプロンプトは、ぜひ保存しておきましょう。
自分だけの“プロンプトレシピ集”をつくっておくと、再利用もアレンジもスムーズです。
- 📁 ノートアプリ(Notion・Evernoteなど)にまとめておく
- 📌 「目的・背景・形式」をセットで記録すると便利
- 🔁 毎週見直して、改善版を作ってみるのもおすすめ
2-5-3. ChatGPTといい会話を育てるために
ChatGPTとの対話は、“AIと会話する練習”ではなく、“自分の思考を整理する手段”です。
うまく伝えられなかったり、思うような答えが返ってこなかったりしても大丈夫。
- 🌱 少しずつ丁寧に伝えていく
- 🔁 回答を見ながら調整していく
- ✨ 自分なりの型を見つけていく
この繰り返しが、あなたの“プロンプト力”を育ててくれます。