第08回|プロンプト設計講座:伝わる指示の出し方とテンプレ集
- 目的:プロンプト設計の基本スキルとテンプレを習得する
- ゴール:目的に応じた的確な指示が出せるようになる
「えっ、なんでそうなるの…?」
思わずツッコミたくなるような返答。ChatGPTを使っていて、そんな“すれ違い”を感じたこと、ありませんか?
でも――その原因、もしかしたら“AIの性能”ではなく、あなたの“伝え方”にあるかもしれません。
この記事では、ChatGPTと“息ぴったり”になるための魔法のスキル=プロンプト設計を、やさしく・具体的に解説します。
8-1:「なんか違う」は“書き方”で防げる!
8-1-1:失敗例に学ぶ「伝わらないプロンプト」
たとえばこんなやりとり――
ChatGPT:「はい、では以下のような概要になります」
…なんかズレてる。パワポの構成がほしかったのに、ただの説明文が返ってきた!
この原因は、「目的」「前提」「出力形式」などの情報が不足していたことにあります。
プロンプトとは「AIとの会話の設計図」。
伝わらないときは、まず“書き方”を見直してみましょう。
8-1-2:ChatGPTは“意図しだい”で別人になる
ChatGPTは、入力された情報をもとに、できるだけ正確に返そうとします。
だからこそ、あいまいな言い方では、思った通りの返答が得られにくいのです。
- 何をしたいのか(目的)
- どんな背景か(前提)
- どう返してほしいか(出力形式・トーン)
8-2:「伝わるプロンプト」の黄金フォーマット
8-2-1:3要素セット=目的・前提・指示
これを押さえるだけで、あなたのプロンプトは格段に伝わりやすくなります。
要素 | 役割 | 例 |
---|---|---|
目的 | 何をしてほしいか | 記事タイトルを考えて |
前提 | 読者・ジャンル・条件など | 30代主婦向けの時短レシピ記事 |
指示 | 出力形式や数 | 5案、短く、親しみやすく |
8-2-2:「出力形式」「トーン」「条件」で精度UP
さらに精度を上げたいときは、以下の指定を加えると効果的です。
- 出力形式: 表・リスト・ステップなど、見た目の形式
- トーン: カジュアル/丁寧/論理的 など
- 制約条件: 文字数制限・NG語・語尾の統一など
「30秒で読めるように」「明るく親しみやすく」「箇条書きでまとめて」など、具体的な指示で精度がグッと上がります。
8-3:そのまま使える!プロンプト+回答例集
8-3-1:調べもの・説明型
- プロンプト:アインシュタインの相対性理論を中学生向けに、なぜそう考えたのかも含めて、やさしく説明して
- 回答例:「相対性理論とは、時間や空間が見る人によって変わるという考え方なんだ。たとえば…」
8-3-2:添削・リライト型(Before→After)
- プロンプト:以下の文章を親しみやすいトーンに書き換えてください。
【文章】今日はAIの可能性についてご紹介します。 - 回答例:「こんにちは!今日はAIができることを、ちょっと楽しくご紹介しますね。」
8-3-3:アイデア・創作型
- プロンプト:もし猫が喋れたら、どんなことを言うと思う?3パターン、性格を変えて考えてみて。
- 回答例:
1. 甘えんぼ:「ねぇ、今日もひざに乗っていい?」
2. ツンデレ:「フン。あんたが帰ってきたのなんて待ってないし。」
3. 哲学系:「人間はなぜ、缶詰を与えるときに名前を呼ぶのだろう…」
8-4:「マイプロンプト」を育てていこう
ここまでは「すぐ使えるテンプレ」を紹介してきました。
ここからは、それを踏まえて“自分用のプロンプト”を作っていくフェーズです。
8-4-1:よく使う型はストックしよう
「これ、何度も使ってるな」と感じたら、それはあなたの“型”です。
マイプロンプトとして保存しておきましょう。
Notionやメモアプリに「プロンプト集フォルダ」を作っておくと便利です。
8-4-2:「伝わらなかった経験」こそ財産
うまくいかなかったプロンプトも、ただ捨てるのはもったいない!
「なぜ伝わらなかったのか?」をメモしておけば、“改善履歴”という財産になります。
伝わらなかった=失敗ではありません。
そこから“設計力”は磨かれます。
8-5:まとめと、あなたへの宿題
8-5-1:この記事のまとめ
- プロンプトの基本は「目的・前提・指示」の3点セット
- 出力形式・トーン指定で“ピタリ”な回答に近づく
- テンプレを保存&改善して“育てる”意識を持とう
8-5-2:今日のアクション
まずは1つ、あなた自身の「マイプロンプト」を作ってみてください。
短くても、定型でも大丈夫。「これは使えるな」と思ったら保存しておきましょう。
さらに、もしよければChatGPTとのやりとりをSNSやコメントでシェアしてみてください。
あなたの工夫が、誰かのヒントになります。
あなたの言葉が、AIの答えを育てます。
プロンプト設計は、誰でもできる“小さな魔法”です。
次回は、「思ったようにいかないときの対処法」について解説します。お楽しみに!