TOEICスコア800点突破への勝ち筋 第03回
単語はわかるのに読めない?「英語の語順」を脳に叩き込む、Part 5入門と『精読』の技術
本シリーズは「300点台からの脱出」をテーマに段階的に進んでいますが、「リーディングがどうしても伸びない」という悩みを持って、この記事に辿り着いた方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんなあなたが抱える以下の悩みに、論理的な解決策(特効薬)を処方します。
「単語の意味は全部わかる。でも、文全体になると何を言っているのかわからない」
「なんとなく読んで正解・不正解を繰り返しているが、確信が持てない」
この「なんとなく読み」から脱却するための技術が、今回伝授する『精読(せいどく)』です。
0. 本題に入る前の「装備チェック」
これからお伝えする技術は、非常に強力ですが、使うためには「基礎体力」が必要です。
もし、読み進めていて「話が難しすぎる」と感じたり、効果が出ないと感じた場合は、以下の「前提スキル」が不足している可能性があります。
- ✅ 単語力:『銀フレ(または金フレ)』を見て、1秒以内に意味が浮かぶ。
- ✅ 文法力: 英文における「S(主語)」と「V(動詞)」が何かを説明できる。
- ✅ スコア: リーディングが150点を超えている。
※「ギクッ」とした方は、本記事をブックマークしつつ、土台作りを解説した「第2回:基礎構築編」も併せてご覧ください。急がば回れ、です。
準備ができているあなたへ。
それでは、英語を「暗号」から「情報」へと変える、精読の世界へ踏み込みましょう。
1. 禁止事項:「速読」と「テクニック」はまだ早い
まず最初に、絶対にやってはいけないことをお伝えします。
それは、「速く読もうとすること」です。
TOEICは時間との戦いと言われます。そのため、多くの人が「速読」や「裏技テクニック」に飛びつこうとします。
しかし、今のフェーズ(目標スコア550点前後)でそれをやると、致命的な悪癖がつきます。
悪い読み方:「キーワードのつまみ食い」
例えば、こんな英文があったとします。
“The manager who interviewed the applicant yesterday decided to hire him.”
「なんとなく読み」をする人は、目についた単語(Manager, Interview, Applicant, Hire)だけを拾って、勝手に脳内でストーリーを作ります。
「マネージャーが…面接して…応募者が…雇った? 誰が誰を?」
これでは、Part 7の長文で必ず自滅します。
今のあなたに必要なのは、スピードではありません。カタツムリのような遅さでもいいので、「1ミリも誤解なく、正確に構造を把握する力(精読)」です。
2. 核心技術:「S(主語)」と「V(動詞)」を見つけるゲーム
英語という言語は、結論(動詞)が最初に来る言語です。
どんなに長く複雑な文でも、必ず「メインの主語(S)」と「メインの動詞(V)」が存在します。
これを見つけることさえできれば、文の意味は8割取れたも同然です。
今日からのトレーニング:SV発見ゲーム
Part 5(短文穴埋め問題)の文を使って、以下の手順でトレーニングしてください。
- 英文を見る。
- 「誰が(S)」と「どうする(V)」を見つけて、アンダーラインを引く。
- それ以外の修飾語(〜のために、〜の時の、など)は(カッコ)で括って無視する。
例:
The price (of the new product) will increase (next month).
→ 核心は「The price(価格は) will increase(上がるだろう)」だけです。
通勤電車の往復で、Part 5の問題文を眺めながら「これはS、これはV」と指差し確認してください。
問題の正解・不正解はどうでもいいです。「構造が見えるか」が勝負です。
3. 「返り読み」を脳から消去せよ
日本の学校教育で染み付いた最大の呪い、それが「返り読み」です。
「I ate an apple.」を「私は(I)リンゴを(an apple)食べた(ate)」と、後ろから訳していませんか?
これでは、読むスピードがネイティブの半分以下になります。
英語は、出てきた順番通りに理解するように設計されています。
思考の矯正メソッド:チャンク・リーディング
頭の中で日本語に訳すとき、語順を変えずに「カタマリ」ごとに理解していきます。
- × 返り読み:
I went to the station to meet him.
(私は・彼に会うために・駅へ・行った) - ○ 英語の語順(推奨):
I went / to the station / to meet him.
(私は行った / 駅へ / 彼に会うために)
最初は違和感があるでしょう。「日本語として変だ」と感じるかもしれません。
ですが、この「変な日本語(英語の語順)」に脳を慣れさせることこそが、英語脳への入り口です。
4. アクションプラン:Part 5は「パズル」ではなく「読書素材」
このフェーズ(〜550点目標)では、まだPart 7の長文には手を出しません。
その代わり、Part 1(写真描写)のスクリプトや、Part 5(短文穴埋め)の問題文を「精読の素材」として徹底的に使い倒します。
具体的な学習メニュー(1日30分〜)
- Part 5の問題を10問解く(5分):
まずは普通に解きます。時間をかけすぎないように。 - 答え合わせ&解説熟読(10分):
なぜその答えになるのか理解します。 - 【最重要】文構造の解析(15分):
問題文すべてに対して、以下の「解剖」を行います。- どれが主語(S)か?
- どれが動詞(V)か?
- 接続詞はどこで切れているか?
- 代名詞(it/they)は何を指しているか?
解いて終わり、ではありません。
「骨までしゃぶり尽くす」のが、忙しい社会人の流儀です。
🚧 第3回 昇格試験(Next Stepへの条件)
お疲れ様でした。今回は地味で頭を使う作業が多かったと思います。
しかし、ここを通過すれば、あなたは「英語を雰囲気で読む人」から「英語を論理で読む人」に進化します。
次回「第4回:中級テクニック・メンタル編」へ進むためのクリア条件は以下の通りです。
🛑 第4回への通行手形 🛑
- 英文(Part 5レベル)を見て、3秒以内にメインの動詞(V)を見つけられる。
- 「返り読み」をせず、頭から意味を継ぎ足して理解できるようになった。
- (目安)トータルスコアが500点〜550点に到達した。
これができると、驚くことが起きます。
今まで勘で解いていたPart 5の正答率が上がり、リスニングでも「誰がどうした」が聞き取れるようになります。
次回は、いよいよ600点の壁を越えるための「秒速解法(テクニック)」と、学習の中だるみを防ぐ「メンタル管理術」についてお話しします。
「『勘』を捨てろ。『論理』と『継続』で勝て。」でお会いしましょう。
